「パリ五輪・柔道男子７３キロ級・３位決定戦」（２９日、シャンドマルス・アリーナ）

　初出場の橋本壮市（３２）＝パーク２４＝は３位決定戦でジャコバ（コソボ）と対戦。優勢勝ちで銅メダルを獲得した。

　いきなり開始８秒で背負い投げを決め、技ありを奪った橋本。会場も沸いた電光石火の攻撃で主導権を引き寄せると、２分過ぎには再び背負い投げを決めたかに思われたが、ポイントは奪えず。２度の指導を受けながらも冷静さを失わず、相手の出血を審判に訴えて試合は中断。再開後も集中力を切らさずジャコバを寄せ付けなかった。

　準々決勝で微妙な判定により反則負けを喫した橋本。それでも敗者復活戦では粘って粘って相手の反則勝ちで３位決定戦へ進出していた。

　「手ぶらでは帰れない。僕の柔道人生に悔いが残らないように。それだけです」と橋本。「金メダルには届かなかったですけど、良かったです」と振り返った。

　１７年世界選手権覇者にとって、今回は柔道日本男子で史上最年長で臨む五輪。２１年の東京五輪は大野将平に敗れて落選し、一度は引退も考えた。その悔しさを乗り越え、銅メダルを獲得した。

　◆橋本壮市（はしもと・そういち）１９９１年８月２４日生まれ、静岡県出身。東海大相模高から東海大に進学し、パーク２４に所属。１６、１７年マスターズ大会連覇、１７年は全日本選抜体重別選手権、ＧＳパリ、エカテリンブルクと優勝し、世界選手権金メダル。得意技は「橋本スペシャル」と称する袖釣り込み腰。１７０センチ。