柔道女子 高市未来が涙の2回戦敗退「難しいなって思いました」3度目の正直目指すも2回戦敗退「何やってんだよって」

 「パリ五輪・柔道女子63キロ級・2回戦」(30日、シャンドマルス・アリーナ)

 高市未来(30)=コマツ=はクリスト(クロアチア)と対戦。延長戦の末、技ありで敗れ2回戦敗退となった。

 いきなり開始30秒で相手が内またを仕掛けてきたが、落ち着いて対処した高市。相手のスキを逃さず押さえ込みに入ったが、6秒で返されてしまった。

 それでも相手の技を封じ、何とか寝技へ持ち込もうと動いた高市。ただお互い譲らず試合はゴールデンスコア方式の延長戦に突入した。先にクリストが2度目の指導を受けてあとがない状況となる中、高市も積極的に技を仕掛けた。しかし延長3分に到達しようとする直前に左手首を痛め、思わず激痛に表情をゆがめた。直後に2度目の指導を受け、最後は投げ技で技ありをとられた。

 「本当にずっと夢見た舞台で、ここに立って勝ちたいと思って。前見て進んできたんですけど」と語り、言葉を詰まらせ涙を流しながら「難しいなって思いました」と声を震わせた。「何やってんだよっていうのが一つ。ここまでいろいろ前に進んでやってきたので、もう一つ頑張って欲しかったという気持ちが強いです」と語った。

 1回戦は一本で勝ち上がった高市。積極的に仕掛けてくる相手をうまくいなしつつ、主導権を渡さずに勝ち上がっていた。直前には世界ランク1位で世界選手権王者のファンリースハウト(オランダ)が韓国のキム・ジスに敗れ、会場は騒然となっていた中、高市ものまれてしまった。

 過去2大会でメダルを逃した高市にとって心機一転、3度目の正直となる大会だ。22年11月に柔道男子66キロ級で14年世界選手権代表の高市賢悟さんと結婚。名字が田代から変わって迎える大舞台に「特に何か大きく変わったわけではないが、近くで味方になってくれる人ができたのは心強い」と心境を口にしていた。

 昨年12月のグランドスラム東京大会では準々決勝で堀川恵との直接対決を制し、大会も優勝。形勢逆転で三たび切符をつかみ取った。五輪の悲喜を熟知するベテランは「うれしい(感情)とかはなく、今できることをコツコツやる。それをやれば金メダルに近づくと信じている」と語っていた。

 ◆高市未来(たかいち・みく)1994年4月7日、東京都出身。兄の影響で小学2年から柔道を始め、相武館吉田道場に通う。相原中、淑徳高と進学し、13年にコマツに入社。16年リオデジャネイロ五輪は5位、21年東京五輪は2回戦で敗退した。世界選手権は4度出場し、14、15年は銅メダル。18、19年大会は銀メダルを獲得した。左組みで得意技は足技。164センチ。

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