柔道男子 永瀬貴規が五輪連覇へ準々決勝進出 トルコの難敵に延長戦勝利 1回戦では鮮やか一本勝ち後にズッコケシーンも

 「パリ五輪・柔道男子81キロ級・3回戦」(30日、シャンドマルス・アリーナ)

 五輪連覇を目指す永瀬貴規(30)=旭化成=はトルコのアルバイラクと対戦。延長戦で勝利し準々決勝進出を果たした。

 同じく五輪3大会連続出場で欧州王者のアルバイラク。相手が手数を出してくる中、前襟と奥襟をつかんでしっかりと動きを止めた。両者に指導が与えられる中、永瀬は足技で相手のリズムを狂わせた。

 途中で相手の指導が取り消されるハプニングがあったが、永瀬は投げ技で相手が崩れたところで寝技に。相手のスタミナを奪い、ゴールデンスコア方式の延長戦に突入。直後、相手と同時に投げ技を繰り出す展開となったが、最後は永瀬が奥襟を引き込んで技ありを奪い勝利した。大粒の汗を流しながら畳を降りた永瀬。苦しい試合をしっかりとモノにした。

 2回戦では鮮やかな合わせ技一本で快勝発進した永瀬。だが畳から降りる際に階段を踏み外してしまい、まさかの転倒。これには会場からも「おおっ…」と心配する声があがり、本人も思わず苦笑いを浮かべた。3回戦終了後には「気をつけて降りろ」とコーチから助言され、慎重に階段を降りた。

 前回の東京五輪はコロナ禍で無観客など制限があった。それだけに「今回は会場の雰囲気も感じながら向き合いたい。悔いなく全力で戦いたい」と心境を口にしていた。

 準々決勝では世界ランク1位のカス(ベルギー)に延長戦の末勝利し、準決勝へ進出。五輪連覇へあと2勝、3大会連続のメダルへ王手をかけた。

 ◆永瀬貴規(ながせ・たかのり)1993年10月14日生まれ。長崎県出身。15年世界選手権優勝、リオデジャネイロ五輪銅メダル。全日本選抜体重別選手権は14年から4連覇するなど優勝6度。21年東京五輪では金メダルに輝いた。得意は大内刈り、内股。長崎日大高-筑波大を経て旭化成。182センチ。

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