柔道男子 永瀬貴規が阿部一二三に続く五輪連覇!決勝で世界選手権3連覇の王者に一本勝ち 終了後に四方に礼、そして王者の咆哮

 谷落としで一本を奪い、金メダルを獲得した永瀬貴規(右)=撮影・吉澤敬太
 男子81キロ級決勝でジョージア選手(左)と対戦する永瀬貴規(共同)
 男子81キロ級決勝でジョージア選手(手前)と対戦する永瀬貴規(共同)
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 「パリ五輪・柔道男子81キロ級・決勝」(30日、シャンドマルス・アリーナ)

 五輪連覇を目指す永瀬貴規(30)=旭化成=は世界選手権3連覇中のグリガラシビリ(ジョージア)と対戦。一本勝ちで強敵を撃破し今大会の阿部一二三に続く連覇を達成した。3大会連続メダルは野村忠宏以来となった。

 決勝の相手は世界選手権3連覇の強敵。準決勝では韓国の李と延長戦の死闘を演じてきた中、快勝して勝ち上がった永瀬はしっかりと組んで相手の動きを封じた。

 技が出ない中、両者に指導が与えられた。直後、寝技を仕掛けるとスタンドから大きな拍手が送られた。相手の投げ技を冷静に封じ、再び寝技へ。多彩な攻撃を繰り出し、小外刈りで技ありを奪って主導権を握った。試合を優位に進め、最後は谷落としで一本を奪い連覇を果たした。

 会場が大歓声に沸く中、握手を終えるとスタンドの四方へ礼をした。そして咆哮し、コーチと抱き合った。手を上げて歓声に応え、表情からは充実感がにじんだ。

 「まだ信じ切れてない。ここまでやってきて間違っていなかった。本当にずっと勝てない時期が続いて、本当にたくさんの人に感謝したい」と語り、「興奮状態で覚えてないですけど、あとで映像を見返したい。本当にいろんな人に鍛えられて、支えられて今がある。本当に感謝、感謝です」と白い歯をこぼした。

 初戦で鮮やかな一本勝ちを決めた永瀬。3回戦では同じく五輪3大会連続出場で欧州王者のアルバイラクとゴールデンスコア方式の延長戦に突入する死闘となり、技ありを奪って退けた。

 準々決勝では世界ランク1位のカス(ベルギー)を2戦連続の延長戦で撃破し準決勝へ進出。イタリアのダークホース・エスポジトは鮮やかな足技で技ありを奪い、最後は抑え込んで決勝進出を果たした。

 永瀬にとってはリオデジャネイロ五輪銅メダル、東京五輪金メダルに続く3度目の大舞台。前回の東京五輪はコロナ禍で無観客など制限があった。それだけに「今回は会場の雰囲気も感じながら向き合いたい。悔いなく全力で戦いたい」と心境を口にしていた中、大歓声の中でも集中して試合を重ねた。

 掴んだ五輪連覇の悲願。王者の強さは最後まで揺るがなかった。

 ◆永瀬貴規(ながせ・たかのり)1993年10月14日生まれ。長崎県出身。15年世界選手権優勝、リオデジャネイロ五輪銅メダル。全日本選抜体重別選手権は14年から4連覇するなど優勝6度。21年東京五輪では金メダルに輝いた。得意は大内刈り、内股。長崎日大高-筑波大を経て旭化成。182センチ。

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