村尾三四郎は呆然の銀メダル 疑惑の判定に場内大ブーイング 技あり判定認められず、立て直せず逆転負け

 「パリ五輪・柔道男子90キロ級・決勝」(31日、シャンドマルス・アリーナ)

 村尾三四郎(JESグループ)は、東京五輪金メダリストのラシャ・ベカウリ(ジョージア)と対戦。残り10秒を切り、合わせ技一本負けでの銀メダルとなった。

 これまで一度も勝ったことのない難敵。開始1分超で技ありを奪い、試合を優位に進めていた。積極的に技を仕掛け、相手を何度もぐらつかせていたが、2分40秒で一瞬の隙をつかれて技ありを奪われた。

 3分半での内股で技ありを奪ったかと思われたが、判定では認められず。日本側は両手を広げてアピールし、村尾も視線を送って確認したが、審判は反応せず。場内は大ブーイングとなった。

 その後、ベカウリの足技が映像で認められ、合わせ技一本負け。村尾は呆然となる中、再び場内大ブーイングとなった。

 村尾は畳を下りて涙を流し、「本当にあれですね、悔しいなという思いです。どんな状況になっても勝つ準備してきた。自信を持って戦ったが、なかなか、本当に自分の目指していた金メダルが取れなくて、内容どうこうより負けはきついもので、悔しさが残ります」と落胆した。

 2月のグラウンドスラム(GS)パリ大会では初戦敗退などもあったが、4月のGSアンタルヤ大会に優勝して復調をアピール。「五輪につながる大会になった」と手応えを口にしていた。

 言葉通り決勝までは順調だった。初戦を44秒で一本勝ち。準々決勝では相手に隙を与えず、反則勝ちを収めた。準決勝では地元フランスのヌガヤプハンボを合わせ技一本で撃破し、決勝に進んだ。

 日本人の父、米国人の母との間に生まれた「令和の三四郎」。大舞台で強さも発揮したが、頂点にはあと一歩届かなかった。

◆村尾三四郎(むらお・さんしろう)2000年8月28日、米国出身。2歳から日本に移り住み、桐蔭学園高を経て東海大へ進学。21年のグランドスラム(GS)カザン大会で初優勝。同年6月の世界選手権代表にも選出された。23年の世界選手権で銅メダルを獲得するなどの実績を評価されて同年6月にパリ五輪代表に内定。身長180センチ、90キロ。

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