村尾三四郎が涙 疑惑の判定で銀メダル「内容どうこうより悔しさが残ります」技あり認められず呆然
「パリ五輪・柔道男子90キロ級・決勝」(31日、シャンドマルス・アリーナ)
村尾三四郎(JESグループ)は、東京五輪金メダリストのラシャ・ベカウリ(ジョージア)と対戦。合わせ技一本で敗れ、銀メダルとなった。
「疑惑の判定」に屈した。村尾は畳を下りても呆然。現実を受け入れられない様子をにじませた。カメラの前では背中を向けて涙をぬぐい、「本当にあれですね、悔しいなという思いです。どんな状況になっても勝つ準備してきた。自信を持って戦ったが、なかなか、本当に自分の目指していた金メダルが取れなくて、内容どうこうより負けはきついもので、悔しさが残ります」と落胆した。
これまで一度も勝ったことのない難敵。開始1分超で技ありを奪い、優位に進めていた。その後も積極的に技を仕掛け、相手を何度もぐらつかせていたのは村尾だった。だが、2分40秒で一瞬の隙をつかれて技ありを奪われた。
3分半での内股で技ありを奪ったかと思われたが、審判は反応せず。日本陣営は両手を広げてアピールし、村尾は審判に視線を送って確認した。場内は大ブーイングとなった。その後、残り10秒を切り、ベカウリの小内刈りが映像で認められ、合わせ技一本負け。村尾は呆然となる中、再び場内大ブーイングとなった。
日本人の父、米国人の母との間に生まれた「令和の三四郎」。大舞台で強さも発揮したが、頂点にはあと一歩届かなかった。
◆村尾三四郎(むらお・さんしろう)2000年8月28日、米国出身。2歳から日本に移り住み、桐蔭学園高を経て東海大へ進学。21年のグランドスラム(GS)カザン大会で初優勝。同年6月の世界選手権代表にも選出された。23年の世界選手権で銅メダルを獲得するなどの実績を評価されて同年6月にパリ五輪代表に内定。身長180センチ、90キロ。