「ほぼ技あり」疑惑の判定で村尾が銀 元金メダリスト解説者「ポイントあっておかしくなかった」

 「パリ五輪・柔道男子90キロ級・決勝」(31日、シャンドマルス・アリーナ)

 村尾三四郎(JESグループ)は、東京五輪金メダリストのラシャ・ベカウリ(ジョージア)と対戦。合わせ技一本で敗れ、銀メダルとなった。

 「疑惑の判定」に泣いた。両者技ありを奪って迎え、残り30秒を切ったところで村尾が内股でベカウリを投げた。元金メダリストで中継の解説を務めた大野将平氏はその瞬間、「技あり」とつぶやき、実況も「ポイントはないか、ポイントはないか」と伝えたが、認められなかった。場内には大ブーイングが響いた。

 その後、残り10秒を切り、ベカウリの足技が映像で認められ、合わせ技一本負け。村尾は呆然となる中、再び場内大ブーイングとなった。

 大野将平氏は「ほぼ技ありであった。ベカウリ選手が追いつき、勝負強さ、さすがチャンピン」とたたえたが、もう一度「あと一歩どころではない悔しい敗戦。ポイントがあってもおかしくなかった。村尾選手も手応えあったと思います。一ファンとして悔しいですね。2度投げて勝ちかけた」と言葉を飲み込んだ。

 試合後、涙する村尾の姿に、「あと一歩足りなかった。何が足りなかった、そんな自問自答していたように思います」と語った。

 村尾はカメラの前では背中を向けて涙をぬぐい、「本当にあれですね、悔しいなという思いです。どんな状況になっても勝つ準備してきた。自信を持って戦ったが、なかなか、本当に自分の目指していた金メダルが取れなくて、内容どうこうより負けはきついもので、悔しさが残ります」と落胆した。

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