「パリ五輪・体操男子個人総合・決勝」（３１日、ベルシー・アリーナ）

　初出場の岡慎之助（２０）＝徳洲会＝が６種目合計８６・８３２点で金メダルを獲得した。１２年ロンドン、１６年リオデジャネイロ五輪の内村航平、２１年東京五輪の橋本大輝に続き、日本勢は４連覇を達成した。連覇を狙った橋本は６位に終わった。団体、個人総合の２冠は１６年リオデジャネイロ五輪の内村航平以来となった。

　戴冠の原動力となったのは圧倒的な美しさだった。出来栄えを評価するＥスコアの合計は岡がつり輪が乱れたにも関わらず５１・５３２点。２位の張博恒が５０・３９９点、ほぼノーミスだった３位の肖若騰が５１・２６４点、６位の橋本は４９・４９８点とトップレベルの中でも際立った。

　日本男子の水鳥強化本部長は「まさかこんな１カ月間でここまで見違えるとは。想像を超えていた。本当に我々が日本の素晴らしい体操を体現してくれる選手だと思って、必要な選手だと思っていた。その選手がここにきてグッと力をつけてくれた。本当にうれしい」と、急成長に目を細めた。勝因については「やっぱりとにかくＥが評価された。僕らの想像よりも評価された。世界が彼の体操を素晴らしいと評価してくれた。僕らが言ってきた着地の部分をおそらく彼が１番意識できている。そこが勝因としてあると思う。特にこの１カ月で１番仕上がってるのはしんちゃんだと思っていた。この大会に合わせる強さと質が急激に高まった。この五輪が彼を急成長させた」と、語った。