男子競歩 池田向希はメダルに届かずも7位入賞 17キロ付近で先頭集団から遅れる 古賀が8位 スタートが30分遅延のアクシデントも

 歩く日本代表・池田向希(撮影・中田匡峻)
レースする池田向希。奥はエッフェル塔
 レースする池田向希
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 「パリ五輪・男子20キロ競歩」(1日、イエナ橋)

 池田向希(旭化成)は懸命に粘ったが、惜しくもメダルには届かなかった。トップから46秒差で7位、他の日本勢では古賀が8位に入った。

 雷雨のためスタートが30分遅れた中、エッフェル塔の周辺を周回するコース。序盤は大きな集団でのレースが続いた。だが17キロ付近から先頭集団から遅れだしてしまった。それでも懸命に粘ってチャンスをうかがった池田。18キロ付近で7位まで落ち込み、22秒差でラスト1周へ入った。

 先頭集団が激しいトップ争いを繰り広げる中、一気にペースが上がって4位以下は大きく引き離されてしまった。最終的にトップから46秒差で7位。古賀が8位と2人が入賞を果たした。

 「このパリ大会では2大会連続のメダルを目標に取り組んできた。悔しい気持ちはあるんですけど、多くの方々に応援して頂き、支えて頂き、感謝の気持ちを持って20キロ歩けた」と語った池田。「後半勝負は予想していて、ラスト5キロ勝負と読んでいた。上位に入った選手と比べると力不足」と悔しさをにじませた。

 「3年間やってきたことは無駄ではなかった。スタートラインに立てて、本当にそこは自信をもっていいのかなと」と池田。開始遅延のハプニングも「条件は一緒。何も言うことはない」と一切の言い訳を封じた。

 池田は21年の東京五輪、22年の世界選手権で銀メダルを獲得。昨年8月の世界選手権(ブダペスト)では15位に沈んだが、パリ五輪代表選考会を兼ねて行われた今年2月の日本選手権では世界歴代3位の1時間16分51秒で優勝した。

 スポーツデータの分析や提供を行う専門会社、グレースノート(本社・米国)が今月23日に発表したパリ五輪のメダル予測では金メダル獲得とされ、優勝候補の筆頭と目されていた。

 五輪切符を手中にした際には「フランスは欧州勢に合ったコンディションが予想されるのでしっかり準備したい。ベストな状態で臨んだ時に2大会連続メダル、そして金メダルが見えてくる」と、優勝を視界に入れていた。東京五輪に続く2位にとどまった22年の世界選手権後、コーチから独り立ちする道を選択。現在は「練習や合宿のスケジュールを自分で考えることで、レースでも臨機応変に対応できるようになった」と、自主独立に手応えを感じている。

 東京五輪で一躍、注目された通り、人気タレントの「みちょぱ」こと池田美優は、はとこにあたる。池田の祖父とみちょぱの祖父が兄弟という関係だ。みちょぱについて池田は20年の東京五輪選考会後、「応援してもらえることもそうだし、競歩という種目がもっと注目されるきっかけというと失礼だけど、注目をしてもらえることに感謝して、応援してもらえることに感謝したい」と語っていた。

 ◆池田向希(いけだ・こうき)1998年5月3日生まれ、静岡県浜松市出身。小学5年生で陸上を始め、浜松日体高2年で競歩一本に絞る。東洋大に進学し、2018年の世界競歩チーム選手権で優勝。19年にユニバーシアードを制し、初出場の世界選手権で6位。21年東京五輪と22年世界選手権で銀メダル。168センチ。

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