死闘制した世界王者・樊振東、張本を称賛「とてもいいプレーをした」 王楚欽敗退で負けられぬ中国最後の砦「絶対に自分が勝利を掴む」

 男子シングルス準々決勝で中国の樊振東(左)に敗れた張本智和(共同)
 男子シングルス準々決勝で中国の樊振東(左)に敗れた張本智和(共同)
 男子シングルス準々決勝で、張本智和を破った樊振東(手前)=共同
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 「パリ五輪・卓球男子シングルス・準々決勝」(1日、パリ南アリーナ)

 中国の世界ランク4位で23年世界王者の樊振東は、21年東京五輪男子団体銅メダルで世界ランク9位の張本智和(21)=智和企画=にフルセットの激闘の末に勝利。執念で4強入りを果たした。

 大苦戦の末に勝利を収めた樊振東は「最善を尽くした。絶対に自分が勝利を掴むと言い聞かせた」と、安どの表情を浮かべた。張本については「彼がとてもいいプレーをした。それがプレッシャーになった。私に多くのチャンスを与えなかった。乗り越えられたことに感謝している」と、称賛した。

 過去7勝2敗の張本に序盤から苦戦。第1ゲームからエンジン全開で攻めてきた相手に受け身に回り、2-11で奪われた。第2ゲームも一進一退の攻防の中で終盤に競り負けて9-11で落とした。樊振東はこのゲームの終わりに着替えの時間をとった。

 第3ゲームはYGサーブで主導権を握り、11-4で奪取。今度は張本が着替えの時間をとり、気持ちを切り替えた。

 第4ゲームも中盤まで手に汗握る展開が続いたが、終盤に樊振東が強烈なカウンターを連発し、リードを奪い、そのまま11-7で押しきり、タイに戻した。

 第5ゲームは4-11でがけっぷちに追い込まれたが、第6ゲームは執念を発揮。中国チームの仲間や関係者が客席で立ち上がり拍手を送る中、11-7でフルセットに持ち込んだ。

 第7ゲームも2点を先取。ここから逆転を許し、一進一退の攻防となったが、最後まで集中力を発揮した。

 今大会では世界ランク1位の王楚欽が孫穎莎との混合ダブルスで金メダルを獲得した直後に報道陣にラケットを折られるアクシデントが発生。予備のラケット挑み、翌日のシングルス2回戦でスウェーデン選手に敗れる悲劇が起こり、中国の5大会連続の金・銀独占の夢を断たれていた。

 中国勢が男子シングルスでメダルなしとなれば、88年ソウル以来。屈辱を回避しようと、最後の最後で底力を発揮した。

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