バドミントン女子 シダマツペアは号泣敗退 3位決定戦へ「全体的に相手が上だった」「抜け出すことができなかった」目は真っ赤に

 「パリ五輪・バドミントン女子ダブルス・準決勝」(2日、ポルトドラシャペル・アリーナ)

 “シダマツペア”こと志田千陽(27)、松山奈未(26)組=再春館製薬所=は準決勝で中国ペアと対戦。セットカウント0-2のストレートで敗れ、3位決定戦へ回ることが決まった。

 第1セットで最大5点差を追いつく粘りを見せるも16-21で落としたシダマツペア。終盤に連続ポイントを与えてしまった流れを変えることができず、いきなり相手の3連続ポイントで先手を取られた。

 序盤から劣勢となったが、2人は笑顔を絶やさず。最大5点差をつけられたが、相手のサーブミスで3連続ポイントを奪った。ここから中国ペアが底力を発揮し、リードを広げるも、シダマツペアは応戦。懸命に粘って17-18へと追い上げると、会場の空気は変わった。

 さらに志田のショットが一旦はアウトと判定されたが、チャレンジで判定が覆った。これには大歓声が沸き起こった。しかし先にマッチポイントを握られると、最後はラケットを投げ出しながら取りに行ったが、無情にもコートに落ちた。試合後、観客の歓声に応えた松山の目に涙が浮かんだ。志田もタオルで顔を覆い、引き揚げた。

 2人とも目を真っ赤にしながら「本当に終始相手ペースだったかな。自分たちになかなか攻めの形を作らせてもらえなかった。全体的に相手が上だった」と語った志田。松山は「出だしから自分たちを出し切ろう。相手のペースについていって追いつけたけど、抜け出すことができなかったことが勝敗につながったのかな」と語った。

 「気持ちの面では絶対にいけると思って」と語った松山。3位決定戦へ「今日のリベンジだと思って」と志田は語り、松山は「明日も試合ができることを幸せだと思って」と懸命に前を向いた。

 第1セットは中盤にミスショットからの2連続アウトで相手に流れが渡ると一気に5点差と突き放された。ここでタイムアウトが入り、気持ちを切り替えたシダマツペア。守備から攻撃の切り替えにメリハリがつくと、相手のボディを狙うショットが決まり4連続ポイントで一気に差を縮めた。

 粘り強く食らいつき、15-15でビハインドの展開を解消。だが終盤に中国のレシーブ力が際立つ形となり、ミスが出るなど連続ポイントで押し切られてしまった。

 1次リーグではグループ2位で決勝進出を果たしていたシダマツペア。準々決勝ではデンパーク勢のパワフルなショットに苦戦するシーンもあったが、笑顔を崩さず。ストレートで勝利し準決勝進出を決めていた。

 ◆松山奈未(まつやま・なみ)1998年6月28日生まれ、北九州市出身。両親、兄、姉もバドミントンに打ち込む一家で育つ。九州国際大付中、高出身で、3年時には世界ジュニア優勝。17年に再春館製薬所に入社した。趣味はヘッドスパ。1時間コースで開始10分で寝てしまうのが悩み。幼少期は水泳、エレクトーン、ピアノ、書道を習う。座右の銘は「努力は結果をもたらすわけではなく、努力は成長します」。166センチ。

 ◆志田千陽(しだ・ちはる)1997年4月29日生まれ、秋田・八郎潟町出身。姉の影響で6歳の時に競技を始めた。青森山田中、高出身。3年時は、インターハイ女子ダブルスで優勝した。16年に再春館製薬所に入社。パートナーの松山とは、14年からペアを組む。大のアイドル好きで、乃木坂46を卒業した山下美月が一番の推し。座右の銘は「なんとかなるし なんとかする」。162センチ。

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