柔道男子 斉藤立が準決勝進出!亡き父との親子金メダルへあと2勝 キューバのグランダを延長戦で破る 計8分超えの大熱戦

 「パリ五輪・柔道男子100キロ超級・準々決勝」(2日、シャンドマルス・アリーナ)

 斉藤立(たつる、JESグループ)が準々決勝でキューバのグランダと対戦。延長戦の末に内股で技ありを奪って勝利し、準決勝進出を決めた。

 主導権の引き合いとなる中、両者に指導が与えられた立ち上がり。グランダが組手を嫌って右手を伸ばす中、斉藤は落ち着いて相手に対処した。

 奥襟をつかんでしっかり技をしかけていった中、攻め手をやめなかった斉藤。相手の投げ技もつぶして寝技に持ち込む姿勢も見せた。本戦終了間際に足技で倒すもポイントは認められず、ゴールデンスコア方式の延長戦に入った。

 相手に疲労の色がにじむ中、グランダに2度目の指導が与えられた。斉藤が有利となる中、怒濤(どとう)の攻めを見せた。最後は4分を超える熱戦となる中、内股で技ありを奪った。

 さすがに疲労の色を隠せなかった斉藤。息も上がり、大粒の汗を流しながら引き揚げる際には表情を崩さず、しっかりと前を向いて準決勝へ備える様子が感じられた。

 初戦でリオ五輪100キロ級金メダルで東京五輪100キロ超級金メダルのチェコ・クルパレクを一本勝ちで撃破した斎藤。幼少から、偉大な父と目指してきた舞台だった。

 6月4日の公開練習では「父と同じ舞台に立てるだけでも誇っていいと思うが、お父さんが求めているのは金メダル。何が何でも勝ちにいく。執念を見せたい。表彰台の一番上に立つ」と、亡き父・斉藤仁さんへの思いを見せた。今回、初の五輪出場を果たし、日本柔道史上初の親子オリンピアンとなった。

 男子95キロ超級で1984年ロサンゼルス、88年ソウル五輪を連覇した仁さんの次男として生まれ、5歳で柔道を始めると父の指導を受けた。日本代表の鈴木桂治監督も仁さんのまな弟子で、2004年アテネの男子100キロ超級金メダリストだ。仁さんは2015年、がんのため54歳の若さで死去した。仁さんの得意だった体落としを軸にした正統派の柔道で、斉藤は親子2代、師弟での五輪金メダルを目指していた。

 客席では母の三恵子さんが仁さんの写真を手に観戦。難敵を撃破すると、目に涙を浮かべて喜んだ。

 ◆斉藤立(さいとう・たつる)2002年3月8日生まれ、大阪府出身。5歳で柔道を始める。18、19年に男子100キロ超級でインターハイ優勝。21年、グランドスラム・バクー大会でシニアの国際大会を初制覇。22年世界選手権2位。同年、史上3番目の若さで全日本選手権を初制覇。得意技は体落とし、大外刈り。国士舘大卒。192センチ、165キロ。家族は母と兄。

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