完敗の早田ひなは「腕全体に違和感」棄権も選択肢だった 前日北朝鮮選手との激闘で痛み止め薬 「100%じゃなかった」と涙
「パリ五輪・卓球女子シングルス・準決勝」(2日、パリ南アリーナ)
早田ひな(24)=日本生命=が、世界ランキング1位、難敵の中国・孫穎莎と対戦。0-4(6-11、8-11、8-11、2-11)のストレート負けを喫し、3位決定戦に回ることが決まった。
完敗だった。試合後、早田の目から悔し涙があふれる。左手首にサポーターを巻いていたが、試合後「コンディションが100%じゃなかった。限界を感じたが、最後までプレーできてよかった」と明かした。
絶対王者との戦いを前に、早田は自分自身と戦っていた。石田コーチによると、前日の準々決勝、北朝鮮のビョン・ソンギョンとフルセットの死闘でコンディションに影響が出たという。「ちょっと時間がなかった。腕全体に違和感が出始めた。終わった後、どうしようかと。いろいろ協力してくれたが」。超音波治療、痛み止めを飲んで決勝に臨んだが、王者は甘くなかった。
難敵ぞろいの五輪を勝ち上がるための難しさを突きつけられた。早田は棄権の選択肢があったことも否定せず、「ある程度頭にはもちろんありました。でも、この舞台を4年後、経験できるかと言えばそうは限らない。できる限り、最後までやると決めたからには出ると」とうなずいた。
今後は銅メダルをかけた3位決定戦、日本のエースとして期待される団体戦も控える。「この状態でコートに立てるか分からないが、最後まで悔いなくやりたい」と声を振り絞った。