親子金ならず 斉藤立は亡き父への問いに号泣「お父さんと約束したのは金メダル。4年後のロスで絶対に」

 「パリ五輪・柔道男子100キロ超級・3位決定戦」(2日、シャンドマルス・アリーナ)

 斉藤立(たつる、JESグループ)がウズベキスタン・ユスポフに腕ひしぎ十字固めで一本負け。メダル獲得はならなかった。

 「本当に情けない気持ちでいっぱいです」と繰り返した斉藤。準決勝で敗れ、メダル獲得に気持ちを切り替えたつもりだったが、結果は出なかった。「五輪にかける思いは段違いで、誰よりもやることやってきたと自信があったが、その自信が優勝できる自信につながっていた。本当に日本に帰れない気持ちです」と心境を口にした。

 父について問われると、抑え込んでいた感情が一気にあふれた。言葉を詰まらせながら「本当に、本当に…。自分が、お父さんと約束したのが金メダル。4年後のロスで絶対に、何が何でもやり返さなければいけない」と語った。

 父・斉藤仁さんは男子95キロ超級で1984年ロサンゼルス、88年ソウル五輪を連覇。立は今回、初の五輪出場を果たし、日本柔道史上初の親子オリンピアンとなった。

 仁さんは2015年、がんのため54歳の若さで死去。「自分が柔道で本気になったのは、お父さんが亡くなったことがきっかけだった」。試合前には父の写真を胸に当てて気持ちを奮い立たせて畳の上に立った。

 客席では母の三恵子さんが仁さんの写真を手に観戦した。両手を合わせて息子の勝利を祈り続けたが、親子で金メダルの夢は4年後にお預けとなった。

 ◆斉藤立(さいとう・たつる)2002年3月8日生まれ、大阪府出身。5歳で柔道を始める。18、19年に男子100キロ超級でインターハイ優勝。21年、グランドスラム・バクー大会でシニアの国際大会を初制覇。22年世界選手権2位。同年、史上3番目の若さで全日本選手権を初制覇。得意技は体落とし、大外刈り。国士舘大卒。192センチ、165キロ。家族は母と兄。

パリ五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス