大橋悠依は準決勝敗退 全体12位 東京五輪2冠のヒロインが涙も「後悔なくやれた」

 「パリ五輪・競泳女子200m個人メドレー・準決勝」(2日、ラデファンス・アリーナ)

 大橋悠依(イトマン東進)は2分10秒94で1組6位、全体12位で準決勝敗退に終わった。

 レース後は「ここまでの練習でやり残したことはない。後悔なくやれた」と語り、東京五輪では無観客だっただけに「夢にみた有観客の五輪でわくわくした。楽しかった」とうなずいた。東京五輪からの3年。苦しい時間の方が多かっただけに「本当にしんどかった。何回もやめておけばよかったと思った」と吐露した。

 大橋は21年東京五輪では個人メドレー200メートル、400メートルで金メダルを獲得し、日本女子競泳史上初の2冠を達成した。東京五輪後は練習拠点を変えるなど試行錯誤の3年間を経て、今年3月の代表選考会では400メートルで落選したものの、「ここで入れなかったら自分の水泳も終わりだと思う。代表に入れなかったら多分やめることになる」と進退を懸けて臨んだ200メートルで1位となり、再び夢切符をつかんだ。

 200メートル2位の松本信歩(東京ドーム)や、400メートル1位の成田実生(金町SC)ら若手の猛追を受けつつも、パリ五輪に生き残った大橋は「集大成になる。ディフェンディングチャンピオンは考えず、自己ベストタイムを目指したい」と語った。

 同月の代表発表でも「決勝進出と自己ベストタイム(日本記録)更新を一番の目標にしたい」と決意表明。選考会では高校生が続々と代表を決めていき、「世代交代を実感した」というが、平泳ぎ2種目を制して五輪切符をつかんだ33歳の鈴木聡美(ミキハウス)の奮闘に勇気をもらい、28歳の女王は「年齢に関係なく自分がやりたいレースで後輩たちに刺激を与えられたら」と闘志をのぞかせた。

 同月の取材では「五輪まで、またいろんなことに挑戦できるのが楽しみ」と意気込むとともに、代表入りした多くの若手に対し「五輪に魔物はたぶんいないので(笑)。緊張するが、自分のレースをしてほしい」と、女王らしくアドバイスを送る一幕もあった。

 今年5月末の欧州グランプリに参戦後は帰国せず、東京五輪前まで指導を受けた平井伯昌コーチのチームと行動を共にし、標高約2300メートルのスペイン・シエラネバタで高地合宿を敢行。「自分の集大成として、できることを全てやりたい」と、総決算となるパリ五輪に臨んだ。

 ◆大橋悠依(おおはし・ゆい)1995年10月18日生まれ、滋賀県出身。東洋大卒。幼稚園時代に姉の影響で水泳を始める。小学3年時に50メートル背泳ぎでジュニアオリンピックに初出場。2017年日本選手権400メートル個人メドレーで日本新記録。世界選手権(ブダペスト)200メートル個人メドレーでは日本新記録で銀メダル。19年世界選手権(中国・光州)400メートル個人メドレー銅メダル。21年東京五輪個人メドレー200メートル、400メートル金メダル。175センチ、58キロ。

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