五輪ボクシング性別騒動泥沼化 IOC批判のIBA、棄権した伊選手に五輪王者と同じ賞金5万ドル授与発表「涙見てられない」IOCと選手との分断狙いか

 パリ五輪の女子ボクシングに出場している2選手をめぐり波紋が広がっている問題で、国際オリンピック委員会(IOC)から承認を取り消されている国際ボクシング協会(IBA)は2日、性別騒動の渦中となっているイマネ・ケリフ(アルジェリア)との試合を棄権したイタリアのアンジェラ・カリニに対し、ウマル・クレムレフ会長が五輪王者と等しい賞金を授与すると発表した。IBAは五輪王者とメダリストに賞金を割り当てることを発表しており、金メダルには5万ドルを支払うとしている。

 同会長は「彼女の涙を見ることはできなかった」とし、「資格のある選手だけがリングで試合するべきだ」と、IOCを批判した。IOCと選手の分断をうながす狙いがあると見られる。

 パリ五輪では昨年の世界選手権で性別適格性検査で不合格となった女子66キロのケリフと、同57キロ級のリン・ユーチン(台湾)が出場。1日に行われた試合でケリフと対戦したイタリアのカリニが強打の前に開始46秒で棄権。その場で号泣し、波紋が広がった。

 IOCは声明を発表。「2人は女子カテゴリーの大会で長年活躍してきた」と強調し、世界選手権での失格は「IBAによる突然の恣意的な決定で正当な手続なしで突然失格となった」とし「選手の性別と年齢はパスポートに基づいて決定される。すべての人は差別なくスポーツをする権利を持っている」と、出場の正当性を訴えている。

 IBAは2日の試合でユーチンに敗れたウズベキスタンのシトラ・トゥルディベコワも支援することを明言した。

関連ニュース

パリ五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス