涙の早田ひな 満身創痍だった左手首 一人で風呂にも入れず「神様に意地悪」悲嘆も試合5分前の痛み止め注射が奏功「乗り越えられない試練じゃない」
「パリ五輪・卓球女子シングルス・3位決定戦」(3日、パリ南アリーナ)
世界ランク5位の早田ひな(24)=日本生命=が、韓国で“天才卓球少女”として注目され、数々の歴代記録を塗り替えてきたという同8位のシン・ユビン(20)=韓国=と対戦し、4-2で勝利し、銅メダルを獲得した。日本女子では早田が長年ダブルスのパートナーを務めた21年東京五輪の伊藤美誠に続く2大会連続2人目のメダル獲得となった。
勝利が決まると、その場にしゃがみ込んで涙。シン・ユビンと抱擁を交わした後、そのままテーブルに寄りかかりながらもなかなか顔を上げることができなかったが、コートサイドに戻り、泣きじゃくった。その後、石田コーチと笑顔でハートマークを作り、笑顔で写真撮影に応じた。
前日の準決勝同様、左腕には痛々しいテーピングが巻かれてた。石田コーチによると、痛めていたのは左手首付近。その後のインタビューで早田は「おとといの試合で腕を痛めてしまい、そのギャップで自分の現実を受け入れられないままプレーしていた。きょうも同じような状況だったんですけど、最後ドクターに注射を打ってもらって、もしかしたらいけるかもという感覚があった。それを信じて戦った。試合の5分前までは20、30%の力でどう戦うかだった。注射を打って、100%近くまで戻った」と、試合前の状況を告白した。
「一人でお風呂も入れない、ドライヤーも使えない状態だった」という満身創痍の状態に「もちろん金メダルを目指していたので、まさか神様にこのタイミングで意地悪されるとは、と思ったんですけど」と吐露しながら「この3年間で何か悪かったから神様に悪さをされたのかな。でも乗り越えられない試練じゃないと。でもみんなが支えてくれてどんな結果でもやりきって、銅メダルを、と思って戦いました。この状態で銅メダルを取れたのは金メダルより価値がある銅メダルだなと思う」と、涙ながらに明かした。