パリ五輪柔道終幕、金野強化委員長が“不可解判定”に見解「安定性感じない部分も」日本からルール改正提言も「安全で楽しい競技になるように」

 「パリ五輪・柔道」(3日、シャンドマルス・アリーナ)

 競技最終日が終わり、全日本柔道連盟(全柔連)の金野潤強化委員長が取材に応じた。大会を通じ、日本は男子が金2個を含むメダル5個、女子は金1個を含むメダル2個で、混合団体は前回と同じ銀メダルとなった。「(本来の)力を発揮させてあげられなかった選手たちもいる。そこは責任を感じ、総括をして、次の(強化)体制に引き渡していかなければならない」と述べた。

 また、今大会は初日の男子60キロ級準々決勝で、永山竜樹が「待て」の後に絞め続けられて一本負けとなった“地獄の6秒”をはじめ、日本国内では技のポイントや指導など審判の判断に対して疑問を持つ声も多かった。

 4年に一度の五輪は大きな注目を浴びる機会だけに、「技あり」の定義や指導の傾向がマイナーチェンジしている現行ルールへの戸惑いも根底にある。今大会の全体的な判定について、金野強化委員長は「マクロの部分では審判はしっかりと(現行ルールを)運用させようとする意識は働いていた。しかし、ミクロの面で見ると、安定性が我々も感じられないところがあった」と見解を示しつつ、「これは柔道という競技の特性。(激しい攻防で)完全にピタリと寸分たがわぬような形でジャッジをするっていうのは難しい問題」と語った。

 パリ五輪が終わり、4年後のロサンゼルス五輪に向けても、新たにルール改正が行われる見込み。金野強化委員長は「我々も(全日本柔道)連盟からIJF(国際柔道連盟)に投げ掛けていきながら、選手の意見も吸い上げて、より良いルールにしていかなければいけないなと思う。ただ(決まったルールが)降ってくるからしょうがないよねというだけではなく、我々も永山選手の件についても文書で(意見を)出してますし、柔道が安全で楽しい競技になるように日本からもIJFに発信していきたい」と語った。

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