フェンシング女子サーブル団体銅・江村美咲 「自分を信じれば、結果は出る」教えを胸に五輪代表の父超え表彰台

 フェンシング女子サーブル団体で銅メダルを獲得し、喜ぶ日本の選手たち。左から江村美咲、尾崎世梨、福島史帆実、高嶋理紗(提供・共同通信社)
 フェンシング女子サーブル団体で銅メダルを獲得し、写真に納まる江村美咲(左端)ら=パリ(共同
 女子サーブル団体でフランスに勝利して銅メダル獲得し、ガッツポーズする江村美咲=パリ(共同)
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 「パリ五輪・フェンシング女子サーブル団体・3位決定戦」(3日、グランパレ)

 女子サーブル団体3位決定戦で、江村美咲(25)=立飛ホールディングス、高嶋理紗(25)=オリエンタル酵母工業、福島史帆実(29)=セプテーニ・ホールディングス、尾崎世梨(21)=法大=の日本はフランスを45-40で破り、銅メダルを獲得した。サーブル種目での日本のメダル獲得は男女を通じて初めて。

 父を超える活躍で、2度目の五輪を締めくくった。江村が銅メダルを獲得。父は1988年ソウル五輪代表の宏二さん(63)。自分を信じれば、結果は出る-。授けられた教えを胸に、父が成し遂げられなかった表彰台の夢をかなえた。

 宏二さんは2008年の北京五輪で監督を務め、日本初のメダリストとなった太田雄貴さん(38)ら多くの選手を指導した。地元・大分県で開いたクラブでは「(娘を)特別扱いはしなかった。妻から『月謝を払っているんだからちゃんと教えて』と言われたぐらい」と笑う。

 江村の母孝枝さん(57)も元選手だが「ああしろ、こうしろとは言わず、まずはフェンシングを好きにさせる」が家庭の方針だった。のびのびと育った娘は、次第に「とにかく練習したい。強くなりたい」とのめり込み、力をつけていった。

 「お父さん、五輪ってどんなところだった?」。江村が尋ねたのは、初出場となった東京大会前のことだ。父は伝えた。誰もが緊張すること。信じて力を出し切れば、結果はついてくること。「冷静に、自分のフェンシングを出せるように自信を持ってやりなさい」

 宏二さんは開幕前、娘に「美咲はいいよね。日本開催の五輪と、フェンシング発祥地の五輪に出られて。こんなチャンスないよ」と声をかけた。「江村宏二の娘」から「江村美咲の父」へと「立場は完全に逆転しましたね」。宏二さんはうれしそうに語り、苦しみと達成感を得た大会で「どん底から、よく銅メダルまでたどり着いた」とねぎらった。

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