「パリ五輪・陸上男子１００ｍ・準決勝」（４日、フランス競技場）

　前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム（２５）＝東レ＝は自己ベストの９秒９６をマークしたが３組４着で日本人選手９２年ぶりの決勝進出はならなかった。日本選手が五輪決勝に進めば、１９３２年のロサンゼルス五輪で“暁の超特急”と呼ばれた吉岡隆徳以来の快挙だったが、惜しくも届かなかった。

　これまで五輪の決勝進出ラインの最速は３年前の東京五輪の１０秒００。０秒０７も一気に超高速化した世界の潮流に日本のエースも飲み込まれた形になった。世界陸連は公式Ｘで「オリンピック初めて１００ｍを１０秒未満で走っても決勝進出が保証されない」と、驚きを記した。

　準決勝の結果ではトンプソン（ジャマイカ）が９秒８０、セビリア（ジャマイカ）が９秒８１、ライルズ（米国）が９秒８３、カーリー（米国）が９秒８４、シンビネ（南アフリカ）が９秒８７と５人が９秒８台。テボゴ（ボツワナ）が９秒９１、ヤコブス（イタリア）が９秒９２、ベドナレク（米国）が９秒９３で決勝へ。サニブラウンの９秒９６は全体１０番目だった。