父の母国で悲壮なレース 豊田兼が足を引きずって完走「本当に厳しい1カ月だった。走りきるのを目標に」大会前に故障再発

 「パリ五輪・陸上男子400m障害・予選」(5日、フランス競技場)

 豊田兼(慶大)が53秒62で5組6着に終わった。左太ももにはテーピングを施して臨んだレースは、スタートから出遅れると、最後のハードルの直前で足がつったような動きに。その後は左足をかばうように走り、最後は足を引きずるようにしてゴールした。

 その後、同組で走った台湾選手の肩を借りてコースの外に出ると、前の3組を走った筒江海斗が駆けつけて、支えられながらインタビューエリアに現れた。

 足の状態について「フランスに来てからの練習で痛めていたところを再発してしまって、本当に厳しい1カ月だった」と説明。それでもレースに臨んだ理由を「初めてのオリンピックで、このつらい挫折のような経験が今後、自分が成長していく上で前を向いていけるような大会にしたいと思って、コーチたちと相談して出場することにした」と説明した。

 最後はゴールするのがやっとの状況だったが「もうなんとかそこは、ここまで来て集大成を見せたかったので。走りきるというのを目標に」と振り返った。

 6月の日本選手権では日本歴代3位の47秒99の自己ベストで優勝し、パリ五輪の切符をつかんだ。父の母国・フランスでの五輪。「本当に初めての経験で、また新しいスタートラインがこれで切れたかと思っている」と前を向いた。6日の敗者復活戦出場は不透明。

 ◆豊田兼(とよだ・けん)2002年10月15日、東京都出身。桐朋高時代に本格的にハードルを行い、21年に慶大へ進学。23年ユニバーシアードでは110m障害で金メダル獲得。6月の日本選手権で400m障害に優勝してパリ五輪代表の座をつかんだ。195センチ。

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