楢崎智亜は第4課題でこの日初めての完登 合計54・4点で2位発進「最後決められたのでぎりぎりつながったかな」
「パリ五輪・スポーツクライミング男子複合・予選(ボルダー)」(5日、ルブルジェ・スポーツクライミング会場)
17番目に登場した楢崎智亜は、最終第4課題で完登し24・8点を獲得。合計54・4点で2位につけた。首位は69・0点での安楽宙斗。
楢崎は第1課題は3回目の挑戦で9・8点。第2課題も10・0点、第3課題も9・8点といずれも第2ゾーンまでは進んだが完登に届かなかった。
「本当はやっぱり3完登くらいしたいと思っていたので、なかなか1から3が登れなくて結構きつかった」
それでも最終の第4課題は他の選手が苦労した第3ゾーンを壁に張り付くように体を寄せてするすると左に移動し、この日、自身初の完登を達成。「最後しっかり決められたのでぎりぎりつながったかなって感じ」と振り返った。
優勝候補として臨んだ前回東京大会は複合で4位。今回は大声援にも後押しされて「やっぱり東京と比べると観客がいるということで、逆に緊張しないというか楽しかった」と言ってのけた。2日後のリードに向けては「しっかりと点数を稼がないと厳しいと思うので頑張りたい」と話した。
スポーツクライミング複合はボルダーとリードの合計得点(各種目最大100ポイント)で争う。ボルダーは4・5メートルの壁に設けられた四つの課題を制限時間内にどれだけ登れたかを競い、リードは12メートル以上の壁を制限時間内にどこまで登れたかを競う。
◆楢崎智亜(ならさき・ともあ)1996年6月22日、栃木県宇都宮市出身。小学5年で競技を始めた。宇都宮北高に進学。高い身体能力を生かし、16年、19年にはボルダーでW杯年間総合と世界選手権を制した。東京五輪は4位。妻はスポーツクライミングで東京五輪複合銅メダリストの野口啓代さん。170センチ。