バレー男子・藤井直伸さんの遺影と集合写真 目頭押さえるブラン監督、肩抱く西田有志も目真っ赤

 試合後、故・藤井さんの遺影を囲み記念撮影するバレーボール男子日本代表(撮影・吉澤敬太)
 故・藤井さんの遺影の横で涙を流す日本のフィリップ・ブラン監督。右は西田有志(撮影・吉澤敬太)
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「パリ五輪・バレーボール男子・準々決勝、日本2-3イタリア」(5日、パリ南アリーナ)

 2大会連続で8強入りを決めた世界ランク6位の日本は同2位のイタリアとフルセットの死闘の末、2-3で敗れた。閉ざされた歴史の扉を動かすまであと一歩。キャプテン・石川祐希、高橋藍らチームのほとんどが涙を流した。

 日本ベンチには、日本代表として2021年の東京五輪に出場し、昨年3月に胃がんのため、31歳の若さで亡くなった藤井直伸(ふじい・なおのぶ)さんの写真が飾られた。藤井さんの奥さんの美弥さんがパリ出場を望んでいた夫の思いとともに写真とユニホームを託したという。

 NHK中継で解説を務める元日本代表の福澤達哉さんは「全員で一緒に戦ってますよね」「関田選手と一緒に日本のバレーの礎を作ったのが藤井選手でしたから。この舞台に立ちたかったと思うんですよね。この思いを背負いながら、素晴らしい試合を今やってると思います」と伝えた。

 試合後には高橋健太郎が藤井さんの写真を持ち、集合写真を撮影。藤井さんの横で、ブラン監督は溢れる涙をこらえきれず、目頭を押さえた。監督の肩を抱くようにした西田有志の目も泣きはらし、真っ赤だった。

 藤井さんは17年から代表に選ばれ、攻撃を指揮するセッターとして活躍した。22年2月に「胃がんのステージ4」であることを公表し、「前を向いてこの病気に打ち勝つという強い意志を持っている」と決意を示していた。

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