石川祐希、高橋藍が涙 バレー男子、48年ぶり4強逃す イタリアに痛恨大逆転負け ストレート勝ち目前、マッチP握るも逃し暗転 あと1点遠く…
「パリ五輪・バレーボール男子・準々決勝、日本2-3イタリア」(5日、パリ南アリーナ)
2大会連続で8強入りを決めた世界ランク6位の日本は同2位のイタリアとフルセットの死闘の末、2-3で敗れ、1976年のモントリオール以来48年ぶりの4強入りはならなかった。目標としていた1972年ミュンヘン五輪以来52年ぶりのメダル獲得の夢には届かなかった。2-0で迎えた第3セットに3度のマッチポイント、最終第5セットも1度マッチポイントの好機があったが、ものにすることができず、あと1点に泣いた。
52年ぶりのメダルへ、負ければ終わりの一発勝負に挑んだ。序盤から1次リーグで不振が続いた石川祐希主将が躍動。気迫あふれるプレーで強烈なスパイク、テクニックを駆使した巧打を決めると、西田有志、高橋藍も続いて、中盤から一気に突き放した。相手の207センチ選手の強烈なスパイクがセッターの関田誠大の顔面に直撃する場面もあったが、関田はその後も奮闘。第1セットを25-20で先取した。
第2セットは序盤からイタリアにリードを許す展開が続いたが、西田らの奮闘で食い下がると、石川のサービスエースで17-17の同点に。ただ、その後突き放されたが、リベロ山本智大のスーパーレシーブを石川が決める最高の展開も生まれ、逆転。25-23で2セット連取し、48年ぶりの4強入りに王手をかけた。
第3セットは勢いにのる日本が序盤からペースを握ったが、終盤にマッチポイントの24-21から3連続失点で24-24に追いつかれ、25-27で落とした。
第4セットはイタリアにリードされる展開から、高橋藍、西田らの奮闘で食い下がる日本。19-19で追いつくと、高橋藍のサービスエースで逆転したが、24-24から2連続失点で24-26で落とし、2-2に持ち込まれた。
運命の第5セットも懸命なプレーをみせた日本。先にマッチポイントを握られたが、石川の連続スパイクで日本がマッチポイントに。しかし、イタリアの執念の前に3連続失点で競り負けた。閉ざされた歴史の扉を動かすまであと一歩。石川祐希、高橋藍は涙。石川はブラン監督を抱擁を交わし、さらにこみ上げるものがあった。目を赤くしながら、選手、スタッフ一人一人とハグを交わした。
日本ベンチには、日本代表として2021年の東京五輪に出場し、昨年3月に胃がんのため、31歳の若さで亡くなった藤井直伸(ふじい・なおのぶ)さんの写真が飾られていたが、藤井さんと戦った東京同様に、8強の壁に阻まれた。