天国の仲間に吉報届けられず 涙の高橋藍「藤井さんにメダルを見せらず悔しい」も夢は続く「これからも戦っていく。またこの舞台に」
「パリ五輪・バレーボール男子・準々決勝、日本2-3イタリア」(5日、パリ南アリーナ)
2大会連続で8強入りを決めた世界ランク6位の日本は同2位のイタリアとフルセットの死闘の末、2-3で敗れ、1976年のモントリオール以来48年ぶりの4強入りはならなかった。目標としていた1972年ミュンヘン五輪以来52年ぶりのメダル獲得の夢には届かなかった。2-0で迎えた第3セットに3度のマッチポイント、最終第5セットも1度マッチポイントの好機があったが、ものにすることができず、あと1点に泣いた。
日本ベンチには、日本代表として2021年の東京五輪に出場し、昨年3月に胃がんのため、31歳の若さで亡くなった藤井直伸(ふじい・なおのぶ)さんの写真が飾られていた。藤井さんの奥さんがパリ出場を望んでいた夫の思いとともに写真とユニフォームを託したという。
これまでは選手村に置かれてきたが、負ければ終わりの大一番にベンチ横に“帯同”してもらった。試合後、悔し涙を流した高橋藍は「藤井さんも立ちたかった舞台。僕たちは常に藤井さんと戦っているので。きょうも勝って藤井さんとメダルをとりにいく気持ちで全員やっていた」と、明かした。
無念の結果に終わったが、「藤井さんにメダルを見せられなかったのは悔しいですけど。これからも一緒に戦って行くので。また強くなって日本代表戻って来たいと思いますし、日本代表自体も強くなって、この舞台に帰ってきたい」と、上を向いた。
セッターとして藤井さんと切磋琢磨してきた関田も「どこかでみてくれたらいいかなと思っていた」と、目線を上げた。