あと1点、崖っぷちで石川祐希に上がり続けたトス 関田「絶対に決めてほしいと」自責の主将は涙「僕の責任」も仲間悔いなし「納得できる」

 「パリ五輪・バレーボール男子・準々決勝、日本2-3イタリア」(5日、パリ南アリーナ)

 2大会連続で8強入りを決めた世界ランク6位の日本は同2位のイタリアとフルセットの死闘の末、2-3で敗れ、1976年のモントリオール以来48年ぶりの4強入りはならなかった。目標としていた1972年ミュンヘン五輪以来52年ぶりのメダル獲得の夢には届かなかった。2-0で迎えた第3セットに3度のマッチポイント、最終第5セットも1度マッチポイントの好機があったが、ものにすることができず、あと1点に泣いた。

 試合後、涙に暮れた石川は「勝つチャンスをもっていながら。僕が最後一本決められず、このような結果になってしまった。責任を感じてます」と、唇を噛み締めた。1次Lの不振から抜けだし、チームトップの32点をあげる活躍をみせたが、最後の最後を決め切ることができなかった。

 ただ、それだけ皆が石川に決めてほしかった。第3セットの24-22の場面はサーブで乱された形となった高橋藍からのトスは石川に上がった。第5セット13-14、14-14、15-15の局面でセッターの関田は3連続で石川にトスをあげ続けた選択を「絶対に決めてほしいと。それしか思っていなかったですね」と、振り返った。

 石川は最後の円陣の言葉について「みんなにありがとうということと。それがほとんどですね」と明かし、「メダルを取るとずっと言い続けてきて、この結果。それはしっかり強く受け止めないといけない。このみんなで作ってきた集大成がこういう結果になってしまった。主将として力不足、エースとしても力不足。やっぱり最高のチーム。結果伴わなかったが、ベストプレー出してくれた。それに僕が最後1点とって結果を出すことができなかった。申し訳ない気持ちとここまで連れてきてくれて感謝の気持ちでいっぱい」と、自分を責め続け、4年後、28年ロサンゼルス五輪については「まだこれから」と話すにとどめた。

 ただ、1次Lで苦しんだ主将がこの日みせた闘志を皆が感じている。もう1人のエース西田は「きょうは全員がベストパフォーマンスに戻っていたと思う。あれだこれだというのは正直結果論でしかなくて、このバレーをしていて負けたなら、仕方ないということはないが、それぐらい納得できるバレー内容だった」と胸を張った。石川祐希が作り上げてきた史上最強チームがみせた魂の戦いだった。

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