陸上 田中希実が号泣のち救済で準決勝進出 陸上競技での救済とは?「競技者の前進が妨げられた場合」ルールブックに明記

 「パリ五輪・陸上女子1500m・予選」(6日、フランス競技場)

 2大会連続の決勝進出を目指す田中希実(ニューバランス)は11位でフィニッシュ。ラスト一周でアクシデントかと思われるシーンもあったため、審判による救済で準決勝進出となった。

 スタート直後に先頭に立った田中。後続集団をグングンと引き離す姿にスタンドからは大歓声がわき起こった。前半の時点で集団は縦長の展開となり、予選では珍しい形態に。4番手でラスト一周を迎えたが、残り200メートルのところで他の選手と接触があったとみられ、バランスを崩して後方へ沈んだ。

 その後、審判による救済が発表されて準決勝進出が確定した田中。インタビューで「申し訳ない」と涙していたが、一転の歓喜となった。

 陸上競技ルールブック2024では、17.1「競技中、押されたり走路を塞がれたりして、競技者の前進が妨げられた場合の扱いは以下の通りとする」とある。

 「17.1.1 妨害行為が意図的でないと見なされる場合、または、競技者以外によって引き起こされた場合、審判長がそのような行為が特定の競技者(またはチーム)に深刻な影響をもたらしたと判断したら、CR18.7またはTR8.4に従い、競技者1名での、または当該レースに関する複数名あるいは全員での再レースの実施を命じるか、影響を受けた競技者(またはチーム)が当該種目の次のラウンドで競技することを認めることができる」

 「17.1.2 別の競技者が妨害行為の責任があると審判長が判断した場合、その競技者(またはチーム)は当該種目で失格となる。審判長は、そのような行為が特定の競技者(またはチーム)に深刻な影響をもたらしたと判断したら、失格となった競技者(またはチーム)を除いて、CR18.7またはTR8.4に従い、競技者1名での、または当該レースに関する複数名あるいは全員での再レースの実施を命じるか、失格となった競技者やチームを除く影響を受けた競技者(またはチーム)が当該種目の次のラウンドで競技することを認めることができる」とある。

 田中は妨害が認められての準決勝進出が決まった形となった。報道陣の取材中にその事実を知らされると「あっ、知らなかった…そうなんですか」と涙があふれ出した。「明日敗者復活だと思っていたので。それはすごく頑張ったからこういう運が巡ってきたんじゃないかな。できないことをやれと言われたんじゃないかな」と心境を明かしたが、「明日は楽しみ尽くすレースをしたいです」と声を震わせた。

関連ニュース

パリ五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス