陸上 田中希実が泣いた先輩の優しさ 救済前に「自分だけのために走っておいで」「もう背負わなくていい」NHK解説で定評
「パリ五輪・陸上女子1500m・予選」(6日、フランス競技場)
2大会連続の決勝進出を目指す田中希実(ニューバランス)は11位でフィニッシュ。ラスト一周でアクシデントかと思われるシーンもあったため、審判による救済で準決勝進出となった。
レース後、報道陣から救済の事実が伝えられ「知らなかった…」と涙があふれてきた田中。レース後には先輩として慕う小林祐梨子さんから励まされたことを明かし「さっき(小林)祐梨子さんとしゃべった時に、『もう背負わなくていいから自分だけのために走ろう』って…。その時は祐梨子さんも救済の情報は入っていなかったと思うので。『明日は本当に自分だけのために走っておいで』と言ってくださったので」と声を震わせた。
「私はきょうスタートラインに立ったのは、いろんな人たちと一緒に走ってると思ったからスタートからいけた。今度も自分のために、いろんな人と楽しみ尽くすレースがしたいです」と最後まで涙は止まらなかった。
小林祐梨子さんは1500メートル前日本記録で、08年の北京五輪5000メートル代表。田中と同じ兵庫県小野市出身で、惜しみなくアドバイスを送ってきた。引退後は陸上長距離の解説を務め、分かりやすい解説に定評がある。