レスリング 日下が快勝で準決勝進出 相手が治療で試合中断も集中力を切らさず 着実にポイント積み重ね、マットで笑顔

 「パリ五輪・レスリング男子グレコローマン77キロ級・2回戦」(6日、シャンドマルス・アリーナ)

 日下尚(三恵開運)は初戦でウズベキスタンのワルダニアンと対戦。序盤からポイントを積み重ねて勝利し、準決勝に進出した。

 先に2点を先取した日下。3分前に一気に6点をリードしたところで相手が負傷。ドクターの治療が入る中でも、集中力を切らさなかった。

 休憩後に2点をかえされるも、終始相手を圧倒した日下。準決勝進出を決めるとマットの上で満面の笑みを浮かべた。

 「人生を懸けてパリの舞台に立つ」と臨んだ初の五輪。実は当初、28年ロサンゼルス大会を目指していたが、思いのほか成長が速く、予定より早いパリで代表となった。

 4月のアジア選手権(キルギス)決勝では、昨年の世界選手権で敗れた世界王者アクジョル・マフムドフ(キルギス)を敵地で撃破。五輪でのメダル獲得の可能性は現実のものとなっていた。「うどん県」香川出身だけに、帰国時には「うどんの“コシ”を示せた」と、ユーモラスな顔も披露した。

 6月にはブダペストで行われたランキング大会でも優勝したが、帰国した際は「とんとん拍子でいきすぎているので、ここまでの勝ちは全部忘れて一から課題を修正したい」と、気を引き締め直していた。

 中学時代は全国大会に出場するなど、強靱(きょうじん)な下半身の土台は相撲で築いた。五輪切符をつかむと大相撲の佐渡ケ嶽部屋などへ出稽古し、大関琴ノ若に胸を借りて、大きな体を押し上げる技術を模索。がぶり寄りを得意とした秀ノ山親方(元大関琴奨菊)からは、腰を割った出足を学んだ。

 高松北校時代の恩師・竹下敬さんは日体大時代に2年連続でグレコローマンスタイル62キロ級の学生王者。香川県で教員となり、高松北高で日下を鍛え上げた。

 ◆日下尚(くさか・なお)2000年11月28日生まれ、香川県出身。日体大卒。23年世界選手権3位。得意技は差し押し。172センチ。

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