須崎優衣まさかの初戦敗退「2-0」リードは逆転頻発の“魔のスコア” 残り10秒からの猛攻しのげず衝撃の国際大会初黒星

 「パリ五輪・レスリング女子50キロ級・1回戦」(6日、シャンドマルス・アリーナ)

 五輪2連覇を目指す須崎優衣(25)=キッツ=はインドのビネシュと対戦。2点を先制したものの、試合時間残り9秒で2点を奪われ、初戦敗退を喫した。連覇は消滅。須崎はキャリアで海外選手に敗れるのは初めてで、絶対女王のまさかの敗退は世界に衝撃を与えた。

 今大会最大の衝撃と言っていい番狂わせが起きてしまった。須崎は国内大会では負けた経験はあるものの、国際大会では2014年のデビュー以来24大会無敗を続けており、94連勝中だった。まさかの敗戦が、五輪の大舞台で起きてしまい、パリの会場は騒然となった。

 ただ、須崎にとっては最も難しい展開だった。相手の消極姿勢により1点ずつ加点し、2-0となって残り1分を迎えた。組み合って膠着状態が続いたが、残り20秒になって相手が一気にギアを上げて攻勢に入り、残り10秒で体ごとぶつかってくるようなタックルで押しつぶされ、腹ばいに倒れたところでバックを取られた。

 レスリングで「2-0」の僅差リードは、逆転負けにつながりやすい“魔のスコア”ともいえる。カウンターを食らうリスクもあるため無理に攻められず、逆にテイクダウンなどで2点を取られれば2-2と追いつかれ、最後にポイントを取った方が優勢となる「ラストポイント」で逆転されるからだ。そのため、格下が勝つにはロースコアで試合を進めて2失点までに抑え、最後に猛攻を仕掛けて2点を奪いにいくのが、金星に近い最適解の戦い方といえる。

 須崎は試合後、涙で声を震わせながら、「相手の戦術にうまくはまってしまって自分の良さを出せなかった。負けた試合だった。(打開策は頭ではあったが)いききれず負けた。(相手とは)初めての対戦だったので、どういうタイプか分からなかったが、研究対策もしていた。自分のやるべき事を出せず、ああいう結果になった。(セコンドがチャレンジしたものの)完全に負けていた試合だったので、マットの上に立ったときは現実なのか分からなかった」と振り返った。

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