北口榛花は一発突破!1投目で62m58で決勝へ 世界女王が貫禄の投てき ライバルも65m、64m続出に闘志「いい勝負したい」

 「パリ五輪・陸上女子やり投げ・予選」(7日、フランス競技場)

 世界女王の北口榛花(JAL)は1投目で62・58メートルをマーク。予選通過ラインの62メートルを一発で突破し、決勝進出を決めた。上田百寧(ゼンリン)も61メートル08で記録上位に残り、決勝進出を決めた。

 最近のスタイルであるお団子2つ結びの髪形で登場した北口。力強い投てきで、予選通過ラインをあっさり突破すると、両腕でガッツポーズした。

 予選後は「1回目で越えるのを目標にしていたので、しっかり越えてよかった。本番は土曜なのでしっかり調整したい」と笑顔で振り返り、初の有観客での五輪に「初めて観客の皆さんがいる五輪を経験してる。午前のセッションからこれだけ人が入ってて幸せです」と、スタンドを見つめた。65メートル、64メートルの記録を出すライバルたちもおり「予選をみていても仕上げている人は仕上げてきてる。今季ベスト必ず更新したい。いい勝負したいと思います」と、決勝を見据えた。

 北口は昨年の世界選手権を制し、世界最高峰シリーズ「ダイヤモンドリーグ(DL)」ファイナルも制した。パリ五輪でも金メダル候補の筆頭で、七夕の短冊には「パリで笑って終われますように」と記した。ラストで逆転する“北口劇場”が持ち味だ。

 しかしながら、五輪前最後の実戦となった7月20日のDL第10戦ロンドン大会では62メートル69で4位。2位だった昨年6月のローザンヌ大会以来6大会ぶりに頂点を逃し、DLでは初めて表彰台も逃した。

 7月12日のDLモナコ大会は、今季自己最高の65メートル21で制していた。「自分のリズムがつかめなかった。体の状態もモナコの方が良かった」としつつも、「五輪前にこういう経験ができたのは良かった」と前向きに話していた。

 7月12日の陸上日本選手団結団式では、動画で「個人としては決勝で(12位となって)悔しい思いをした東京大会から3年、決勝進出から金メダルまで確実にステップアップしてきたと思う」と道のりを振り返り、「メダル獲得を目標に、本番でまた歴史を塗り替えたい」と初の金メダルへ意気込んだ。

 五輪が開会した際には「今季はなかなか調子をつかめないが、最近は良い日もあるので準備していきたい。メダルを目標に新たな歴史をつくれるよう頑張りたい」とコメント。スポーツデータの分析や提供を行う専門会社、グレースノート(本社・米国)は7月23日にパリ五輪のメダル予測を発表し、北口は優勝とした。

 また、所属するJALの壮行会で、同僚でフェンシング男子エペの加納虹輝が冠大会を開催していることに触れ、「『加納虹輝杯』があるように、いつか『北口榛花杯』を(したい)」と夢を明かした。「難しいかもしれないけど、(種目を)幅広くやりたい」と具体的なプランもある。

 ◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日生まれ、北海道旭川市出身。旭川東高から日大に進んだ。東京五輪で57年ぶりに決勝に進み12位。世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)では22年に日本勢初優勝。23年DLファイナルを初制覇。世界選手権は22年に日本女子投てき種目で初の銅メダル、23年に日本女子陸上界で史上3人目となる金メダル。自己ベストは23年9月に出した67メートル38。179センチ。拠点はチェコ。

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