田中佑美が準決勝進出!敗者復活で組2着に モデル挑戦話題の美しきハードラー「お祈りって感じでした」不安転じ安どの笑み 準決日本人2人は史上初

 「パリ五輪・陸上女子100m障害・敗者復活戦」(8日、フランス競技場)

 田中佑美(富士通)は12秒89の3組2着で準決勝進出を決めた。同種目では日本記録保持者の福部真子が予選で突破を決めており、五輪準決勝に複数の日本選手が出場するのは史上初となった。

 大外8レーンだった田中は好スタートから中盤もしっかり伸びて、先頭に肉薄。組2着を確保した。レース後、不安そうな表情で掲示板を見つめた田中は突破が表示されると安どの笑顔。1着だったフィンランドのハララと抱擁を交わした。

 ゴール後は「とりあえずフィニッシュを決めて、あとはお祈りって感じでした」と笑顔で振り返った。

 前日の予選では組5着で準決勝進出はならず。「攻めに攻めに攻めようと思って走ったレースでした。途中で激しくハードルにぶつけてしまって、それがなかったらもしかしたら3着に入れていたかもと考えると悔しいですけど、ぶつかるほど挑めた。ネガティブに考えずに敗者復活に臨みたい」と、見据えていた。

 田中は7月上旬、世界陸連(WA)が定めるパリ五輪出場資格獲得条件の世界ランキングで39位となり、40位以内の出場条件をクリアした。「ギリギリ」の五輪切符獲得となったからこそ、17日の取材では「出場して終わりではなく、どこまで順位が上がるか分からないと強い気持ちで臨みたい」と、自身の伸びしろをアピールした。

 172センチの長身を生かした走りが持ち味で、昨季は日本人4人目となる12秒台をマークし、世界選手権に初出場するなど一気にブレークした。もっとも、世界選手権は予選敗退で「かなり後悔の残る世界デビューだった」と振り返る。

 異色の“芸能系”ランナーだ。幼少期にはクラシックバレエを習い、宝塚音楽学校を目指した。実際に願書を取り寄せたが、本気で志すには「腰が重かった」と、自身の気持ちを自覚して受験を断念。その後は中学から始めた陸上に専念した。

 今オフには「陸上を見たことが無い人にも興味を持ってもらえるいい機会」と、女性向けファッションメディア『BAILA』でモデルにも挑戦。「舞台に立つことは昔から好きだった。注目していただくことは昔から目指していたことに近いのかな」と話した。

 ◆田中佑美(たなか・ゆみ)1998年12月15日生まれ、大阪府出身。幼少期はクラシックバレエを習い、中学から陸上を始めた。関大第一高を経て立命大。20年セイコー・ゴールデングランプリ4位で、日本選手権は22年、23年ともに3位。23年世界選手権代表も予選落ち。同年のアジア大会3位。趣味は宝塚歌劇鑑賞とお菓子作り。172センチ。

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