リレー侍はメダルのチャンスあり 各選手持ち味発揮、課題はバトン 決勝では1、2段ギア上げて【朝原宣治氏の視点】

 「パリ五輪・陸上男子400mリレー・予選」(8日、フランス競技場)

 2大会ぶりのメダルを狙う日本は1走サニブラウン、2走柳田、3走桐生、4走上山の布陣で挑み、今季ベストの38秒06で1組4で、着順での突破はならなかったが、タイム上位2チームに残り、7大会連続の決勝進出を決めた。1組に強豪がそろったこともあり、全体のタイムでは4位となった。北京五輪400mリレー銀メダリストの朝原宣治氏が予選を解説した。

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 日本は全体4位で決勝に進んだが、まだまだ本領を発揮しきれていないと感じた。各国ともタイムはあまり速くなかったが、決勝ではメンバーチェンジも含めてレベルアップしてくるだろう。ライバルたちと同じように日本も上げていかなければ厳しいレースになりそうだ。

 1走のサニブラウン選手は区間1位のタイムで、ほぼ完璧に走り切れていた。米国のコールマン選手より先着したので、そこは作戦通りだったと思うが、バトンパスで柳田選手に渡すところが少し詰まってしまった。柳田選手が加速しきれない状態だったので、サニブラウン選手のスピードを有効に生かせなかった。柳田選手もそれが影響して加速しきれなかったようだ。

 3走の桐生選手はコーナーをうまく走り、4走につなぐ働きをした。今季は体調不良の影響でなかなか調子が上がらなかったが、五輪でしっかり役割を果たしたのはさすがだ。上山選手もよかった。200メートルのタイムが芳しくなかったので心配だったが、彼も持ち味を出していた。

 強豪ジャマイカが予選落ちしており、予選3位・英国の38秒04に対して日本はわずか0・02秒差。7月のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会では英国に勝って優勝しているので、2大会ぶりメダルのチャンスはある。4走で区間1位のタイムだった南アフリカ・シンビネ選手の存在は怖いが、日本もここから1、2段ギアを上げて決勝に臨んでもらいたい。

(2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)

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