藤波朱理の父・俊一さんも涙 歓喜の抱擁は「初めて。嬉しい。最初で最後かも」再三衝突も二人三脚で金つかむ

 「パリ五輪・レスリング女子53キロ級・決勝」(8日、シャンドマルズ・アリーナ)

 藤波朱理は、エクアドルのジェペス・グスマンと対戦。10-0のテクニカルスペリオリティ勝ちで、金メダルを獲得した。

 相手に何もさせない、圧倒的な強さだった。勝利を決めると、父・俊一さんの元へ走りその勢いのまま思い切り抱きついた。俊一さんも抱きかかえて満面の笑み。二人三脚でつかんだ金メダルだった。

 レスリング指導者の父俊一さんの影響で4歳から競技を始めた。中学2年時の17年9月から公式戦無敗。連勝記録は137にまで伸びた。

 藤波は「最高です。オリンピック最高、レスリング最高。4歳から父のもとでレスリングやってきて、喧嘩も多かったが、父がいないとここにいないと思うので、感謝したい気持ちだった」と笑顔。22年の日体大入学から二人暮らしを始め、衝突も繰り返してきた。俊一さんは目に涙を浮かべ、「(抱きつかれたのは)初めて。嬉しい。最初で最後かも」と感無量の様子だった。

 兄・勇飛は17年世界選手権銅メダル。今春からは母・千夏さんも三重から上京し、娘の夢をサポートした。家族一丸でつかんだ金メダルだった。

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