金メダルの藤波朱理は照れ笑い 思わず父と歓喜の抱擁「タックルにいくつもりだった」父は「最初で最後かな」
「パリ五輪・レスリング女子53キロ級・決勝」(8日、シャンドマルズ・アリーナ)
藤波朱理は、エクアドルのジェペス・グスマンと対戦。10-0のテクニカルスペリオリティ勝ちで、金メダルを獲得した。
圧倒的な強さで頂点に駆け上がった藤波。相手をたたえた後、コーチを務める父・俊一さんの元へ走りその勢いのまま思い切り抱きついた。「タックルにいくつもりだった」というが、我を忘れて歓喜の抱擁。20歳は抱きついた思いを問われ、「ありがとうという気持ちかな」と照れ笑いを浮かべた。
レスリング指導者の父俊一さんの影響で4歳から競技を始めた。五輪の金メダルを目指す娘のために、父は仕事を辞め、22年の日体大入学から二人暮らしを始めた。何度も衝突を繰り返しながら、中学2年からの連勝記録はこの日で137にまで伸びた。
藤波は「4歳から父のもとでレスリングやってきて、喧嘩も多かったが、父がいないとここにいないと思うので、感謝したい」と笑顔。俊一さんは目に涙を浮かべ、「(抱きつかれたのは)初めて。嬉しい。最初で最後かも」と感無量の様子だった。
兄・勇飛は17年世界選手権銅メダル。今春からは母・千夏さんも三重から上京し、娘の夢をサポートした。家族一丸でつかんだ金メダルだった。