レスリング金・藤波朱理「金メダル取るまで恋愛しない」 ストイックに全てをささげた青春時代

 「パリ五輪・レスリング女子53キロ級・決勝」(8日、シャンドマルズ・アリーナ)

 レスリング女子53キロ級で、藤波朱理(20)=日体大=が初の金メダルを獲得した。小学生時代から吉田沙保里、伊調馨らの活躍に憧れて夢見た舞台に立ち、自身も圧倒的な強さを示した。幼少期から卒業文集などに書き記した「五輪金メダル」「歴史に名を残す」という思いを貫徹し、夢をかなえた。

 レスリングに人生をささげる藤波は、誰に言われるでもなく自ら恋愛を禁止にした。「五輪で金メダルを取るまでは恋愛しないと自分で決めた」。合コンに出かけるなど厳禁。大学の友人と恋バナをすることはあっても、聞き役に徹した。

 中学時代、ストイックさに拍車がかかった。成長期に体が大きくなり減量が最大の関門。母が注意を払ってつくった料理の豚肉に少しでも脂分が残っていると、反射的に口からはき出すほど神経をとがらせた。すき焼きの牛脂をそのまま口にするほど脂肪が大好きだった子供が、レスリングのために生活を変えた。

 パリ五輪女子76キロ級代表の鏡優翔は、代表合宿中に藤波とコンビニに出かけた際、カロリー表示や成分表を熟読する姿に驚いたという。甘い誘惑を我慢し、低糖質のロカボのナッツを買って「うまい、うまい」と言い聞かせながら口にほおばる姿に「絶対おいしいわけがないのに。私も気をつけるようになった」と背筋が伸びたという。

 ストイックにレスリングに全てをささげた青春時代の結晶は、欲しかった輝く色のメダルとなって結実した。(デイリースポーツ・藤川資野)

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