なぜ?リレー侍「ぶっつけ本番」の舞台裏 オーダー決勝前夜に伝えられる 「大黒柱」サニブラウン相談→2走起用 逃げ切り狙いも無念5位

 「パリ五輪・陸上男子400mリレー・決勝」(9日、フランス競技場)

 日本は1走坂井隆一郎(26)=大阪ガス=、2走サニブラウン・ハキーム(25)=東レ=、3走桐生祥秀(28)=日本生命=、4走上山紘輝(25)=住友電工=の布陣で挑み、37秒78の5位で2大会ぶりのメダルはならなかった。土江寛裕ディレクターは「ぶっつけ本番」だった五輪決勝の裏側を明かした。

 予選から急きょオーダーを組み替えた。予選は1走サニブラウン、2走柳田大輝(東洋大)、3走桐生、4走上山だった。走順は代表が決まった当初から、個人種目がない柳田をバトンの受け渡す負担のある2走で固定し、あとのメンバーを状況で入れ替える予定だった。ただ、柳田の走りが7月末の大会も含めてなかったことから、決勝前日に急きょ変更が決定。夜に選手に変更が伝えられた。決勝前には柳田が涙する姿もあった。

 決勝の走順はまず「大黒柱」のサニブラウンから当てはめた。「一番自分の力が出せる場所を本人とよく相談して、2走にいきたいというところになりました」と土江氏。代わりの1走にはスタートが得意な坂井を置き、「3、4走を変えてしまうと全部を手術することになる」と後半は変えなかった。

 「これまでの方針としてはきちんと準備したオーダーでいきたかった。アップで合わせてレースに臨むのは20年近くやってますけど初めての決断だったかなと思う」と、サニブラウン2走でのバトンパスはアップのみという「ぶっつけ本番」状態で挑んだ。「予選の上山は良かったので、そこは残して、1、2、3でしっかり逃げて一番前で渡す」と思い描いた通り、桐生から上山にバトンが渡った時点では先頭にいた。ただ、トップスプリンターたちが集うアンカー勝負で屈した。

 男子100メートルでは準決勝に進んだのはサニブラウンのみ。「個人がちょっと物足りなくなっている」とも指摘する。課題を胸に、“リレー侍”は4年後のロス五輪を目指す。

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