マラソン男子 大迫傑は13位で現役続行宣言!「ロスに向けてパワーアップできるように」粘り強い走りで「戦えるって気持ちがある」
「パリ五輪・陸上男子マラソン」(10日、パリ市庁舎~アンバリッド)
2大会連続マラソン出場となる前日本記録保持者の大迫傑(33)=ナイキ=は13位でフィニッシュ。前回東京五輪の6位に続く2大会連続の入賞はならなかった。
大迫は20キロ付近まで先頭集団に位置するも、上位陣がペースを上げる中で徐々に脱落。それでも自分のペースを守り、粘り強くゴールした。
「タフなコースだったんですけど。納得いく順位ではないですけど、あきらめずに走れて良かった」と語り、「一つ一つ前を追って。登りで足を使ってしまった」。赤崎については「前半もよかったんでもしかしてメダルをと思ったんですけど。入賞を積み重ねることが大事だと思います」とし、自身の今後については「ロスに向けてパワーアップできるようにしたい」と力を込めた。
「達成感はあります」と言いつつ「自分自身の納得というか。マラソン競技はまだまだこれからだと思うので、自分自身と向き合いながら」と前を向いた大迫。「まだまだ僕自身、引っ張っていける。戦えるって気持ちがあるので」と語った。
東京五輪後に一度現役を引退。6位入賞に「出し切った」としていたが、「空になったコップが徐々に満たされていった」とし、22年2月に現役復帰。その後も日本マラソン界のトップ選手として存在感を示した。昨秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では3位に終わり、即時内定は逃したが、その後、大迫を上回るタイムの選手が出ず2大会連続のマラソン代表に内定した。
2日前のオンライン会見では「非常に順調にトレーニングできている。いつものレースと同じように、しっかり自分の力を出し切るみたいなところを心がけて走れればいいかな。結果はどうなるかわからないけど、精いっぱい8月10日の8時にいい気持ちでスターラインに立つことが、まずはあと2日の目標になる」と心境を語り、世界的にもあまり類を見ないアップダウンの激しい難コースには「どういった自分自身の柔軟性を持って走っていくかっていうのが、より大事になるかな」と攻略のポイントを挙げ「もちろん経験も生きてくるし、経験しなかったことも起こるだろうし。ただ、大事なのは、常にポジティブな選択をしていくことだと思うので、今回もそれができたらいい」と話していた。
◆大迫 傑(おおさこ・すぐる)1991年5月23日、東京都町田市出身。金井中で陸上を始め、長野・佐久長聖高では2年時に全国高校駅伝初優勝に貢献した。早大では1、2年時に箱根駅伝1区で区間賞を獲得。16年リオデジャネイロ五輪はトラック2種目に出場した。21年東京五輪はマラソンで6位入賞。2時間5分29秒は日本歴代2位。3000メートルと5000メートルの日本記録保持者。170センチ、52キロ。