女子マラソン日本記録保持者の前田穂南がパリ五輪欠場 右大腿骨疲労骨折 陸連発表「出場なら選手生命に関わる重大な問題」 補欠との入れ替えはなし

 日本陸上連盟は10日、11日のパリ五輪女子マラソンに出場予定だった日本記録保持者の前田穂南(28)=天満屋=が欠場することを発表した。右大腿骨疲労骨折のため。同種目04年アテネ五輪金メダルの野口みずき以来となるメダル獲得を目指す中で、エース的存在が痛い欠場となった。

 陸連の経緯報告は次の通り。

 「7月31日の練習において右大腿部付け根付近に張りを感じましたが、強い痛みでなかったため、調整しながら本番に向けた練習を行っておりました。チームドクターに連絡をとりながらの練習を行い、診察や画像検査は選手村入村のタイミングで行うこととしました。

 8月6日、チームドクターの診断、レントゲン検査、8月7日にエコー検査を実施しましたが、大きな所見は確認されず、引き続き様子を見ながら調整練習を行いました。しかしながら、その後も症状が改善されないことから、8月9日にMRI検査を行ったところ、大腿骨近位に信号変化が認められ、右大腿骨疲労骨折と診断されました。チーム、コーチ、選手と話し合い、この状態でマラソンに出場することは今後の選手生命にも関わる重大な問題であるため、本連盟として欠場を判断いたしました。

 なお、補欠解除指定日(8月2日)時点では上記の通り選手は本番に向けた調整練習を行なっており、8月2日に補欠解除をいたしました。そのため、補欠選手との入れ替えはございません」

 前田は2大会連続2度目の五輪代表入り。昨年のMGCでは7位にとどまったが、今年1月の大阪国際マラソンで2時間18分59秒で野口みずきの持っていた日本記録を19年ぶりに更新。MGCファイナルチャレンジで残り1枠だったパリ五輪切符を手にしていた。

 ◆前田穂南(まえだ・ほなみ)1996年7月17日、兵庫県尼崎市出身。大阪薫英女学院高では全国高校女子駅伝で走る機会はなし。15年に天満屋に入社した。19年のMGCで優勝。東京五輪は33位。20年青梅マラソン(30キロ)を1時間38分35秒で走り、野口みずきが保持していた日本記録更新。今年1月の大阪国際女子マラソンでは、2時間18分59秒で2位となり、野口の日本記録を19年ぶりに塗り替えた。一家で阪神を応援しており、今年の大阪国際のスローガンは『アレ』。家族は両親と弟。好きな著名人は天海祐希。尊敬するスポーツ選手はドジャース・大谷翔平。166センチ。

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