銀メダルの玉井陸斗、夢叶えた完璧ラストダイブ「やればできると信じて」5本目大失敗でメダル危機3位転落も信じた「相棒」 「決められる自信あった」
「パリ五輪・男子高飛び込み・決勝」(10日、アクアティクス・センター)
玉井陸斗(17)=JSS宝塚=が合計507・65点で日本飛び込み界初のメダルとなる銀メダルを獲得した。1本目から首位争いを繰り広げた玉井だったが、5本目で大きなしぶきをあげる失敗。3位に落ち、4位とも約5点差に迫られたが、最終6本目で完璧なダイブをみせ、この日全体トップの99点をマーク。銀メダルをもぎとった。
表彰台では笑顔で仲間たちに手を振った玉井。表彰台の3人でメダルを噛むポーズをみせるなど、夢の時間を楽しんだ。胸に掛かったメダルを「(メダルは)すごい今までにないぐらい重い。写真で見てた通りだなって。憧れの物というか、僕が夢であり、目標だったものなので、すごく重みがあります」と、愛おしそうに握った。
5本目で大きく失敗。6本目に挑んだ心境については「やっぱり心が揺れてるところはあったんですけど、今までやってきたことを信じて。自分はやればできるんだ、と言い聞かせて、最後いきました」と振り返り、「自分の中では入水した瞬間はオーバーなイメージだったんですけど、歓声とか崇英コーチの喜んでいる姿をみて、よかったなってホッとした気持ちだった」と、笑顔を浮かべた。
最後は自身が「必殺技」とする「5255B」で決めた。「僕の中では『相棒』。一番点数が出せる確実な大技。5255だからこそ思い切りできた。決められるという自信があったからこそ、最後に99点だせた」と、うなずいた。
玉井は1本目の「407C」で88点をマークし、2位発進。2本目の「207B」で95・40点のハイスコアで首位に立った。3本目も「109C」をノースプラッシュで94・35点をたたき出し、前半3本を終えて2位。中国の曹縁との一騎打ち状態となった。
4本目は倒立からの「6245D」を91・80点でまとめて2位をキープ。しかし、5本目の「307C」で大きなしぶきを上げてしまい、このラウンドで最下位の39・10点で3位に転落したが、6本目は得意技「5255B」でこの日全演技の中でトップとなる圧巻の99点をマークし、表彰台へと飛び込んだ。メダルが確定すると、両腕を突き上げてガッツポーズし、銅メダルのウィリアムス(英国)と抱き合って、喜びを爆発させた。