五輪初実施ブレイキン 話題沸騰の一方「判定が分からん」の声続出 会場盛り上がりと対照的なジャッジ頻発 勝者の世界王者に大ブーイングの場面も

 「パリ五輪・ブレイキン男子・3位決定戦」(10日、コンコルド広場)

 半井重幸(22、ダンサー名・SHIGEKIX)は、昨年世界選手権王者のアメリカ・ビクターと対戦。0-3で敗れ、メダル獲得はならなかった。悔しい敗戦となったが、試合後は笑顔でビクターをたたえ、観衆の大歓声に手を挙げながら引き揚げた。

 パリ五輪唯一の新種目となったブレイキン。女子は日本のAMIが金メダルで初代女王となり、男子も日本選手団旗手を務めるSHIGEKIXの好パフォーマンスで日本国内でも大きな盛り上がりをみせたが、一方でSNSでは「判定基準がよく分からんかった」「見てて楽しい。ただ判定はよう分からん」と、疑問の声があがった。

 SHIGEKIXは金メダリスト候補として期待されたが、準決勝では同2位でカナダのフィル・ウィザードと対戦。0-3で敗れた。スピード感あふれる動きで観衆を魅了した。ただ、詳細ジャッジをみると、SHIGEKIXは技術性、完成度、音楽性は評価されたものの、多様性、独創性のポイントでウィザードが大きく上回った。

 3位決定戦もSHIGEKIXは技術性では3ラウンドとも上回ったが、多様性は五分、独創性、音楽性、完成度でVICTORに軍配が上がっていた。SNS上では「SHIGEKIX勝ってたやろ」との声も溢れた。

 各配分などはパーセンテージも細かく表示されるが、五輪では初実施ということや、会場の観客の盛り上がりとは違う勝敗も多いことからなかなか受け入れるのが難しいジャッジが続いた。

 1次リーグでは日本の大能寛飛(19、ダンサー名・HIRO10)が、敗退が決まった中で迎えた第3戦で21、23年世界王者のVICTORと対戦。0-2で敗れたが、圧巻のパワームーブを披露。キレキレの回転技をみせつけて、会場の観客を完全に魅了した。ジャッジではテクニックで世界王者を圧倒したHIRO10だったが、音楽との調和やオリジナリティなどで世界王者に軍配が上がった。しかし、HIRO10を支持する会場からはジャッジに激しいブーイングが飛ぶほど、会場を支配したのはHIRO10だった。

 28年ロサンゼルス五輪では実施されないことがすでに決定している。歴史的一歩を刻んだ新競技だが、判定の明快さが今後の課題となりそうだ。

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