鈴木優花がど根性6位入賞「とても楽しかった」何度離されても追いつき自己新で女子2大会連続入賞 欠場の前田の思い背負い「代わりに全力で」

 「パリ五輪・陸上女子マラソン」(11日、パリ市庁舎~アンバリッド)

 鈴木優花(24)=第一生命グループ=が自己ベストの2時間24分2秒で6位入賞を果たした。04年アテネ五輪金メダルの野口みずき以来、20年ぶりのメダルはならなかったが、日本女子の入賞は21年東京五輪の一山麻緒(8位)に続く2大会連続となった。

 史上最も過酷ともいわれる急勾配のあるコース。幾度も先頭集団からハナされる場面があった鈴木だが、必死に食らいつき、入賞をもぎとった。6位は日本女子が低迷期を迎えた08年北京五輪以降では最高順位。日本記録保持者の前田穂南が右大腿骨の疲労骨折で欠場に見舞われた中で、代表3人の中で最年少の24歳が意地をみせた。

 ゴール後はとびきりの笑顔を浮かべ、日の丸をまとい、五輪新記録で優勝した親交のあるシファン・ハッサン(31)=オランダ=と健闘をたたえ合って記念撮影していた。「初めてケニア人選手、エチオピア選手たちのペース変動を身をもって体感できました。いけるところまでいこうと思って必死についていきました。こういったところでもメダルを獲得できるところまでなんとしてもいきたいです。初めての五輪、とても楽しかったです」と、振り返った。

 前田が欠場となった中で、日本勢の連続入賞をつないだ。「前田さんとは記者会見の時だったりたまに米国合宿中にちょっとした会話で連絡とっていた。すごく残念な気持ちは大きい。前田さんも日本記録出されて、そういったところで直前になって出られなかった悔しさは計り知れないと思うので、そういったところも私達が走るから、代わりに全力で出し切っていきたいなという気持ちももって走りました」と、明かした。

 3度目のマラソンだった昨年のMGCを自己ベストの2時間24分9秒で制して、初の五輪切符を獲得した。飛び出した有力選手を追わず、集団で足をためて終盤に逆転。経験不足を感じさせない冷静かつ大胆なレース運びを見せた新星は「ここはスタートラインに過ぎない。ワクワクする気持ちを持って挑んでいきたい」と、五輪を見据えていた。

 中距離のエース・田中希実と同学年。トラック種目中心だった大学時代はケガに悩まされ、東京五輪はテレビ観戦した。世界を相手に活躍する田中にも刺激を受け、大学卒業直前にマラソンに初挑戦した22年名古屋ウィメンズで2時間25分2秒の学生新記録。才能を開花させたその1年半後に五輪代表の座をつかみ、テレビで見ていた田中と同じ舞台に立った。

 ◆鈴木優花(すずき・ゆうか)1999年9月14日生まれ。秋田県大仙市出身。中学まではバスケットボール部で、大曲高校から本格的に陸上を始めた。19年に大東文化大に進学。富士山女子駅伝では1年時に7区で区間新。全日本大学女子駅伝では1年から3年連続で区間賞を獲得。2年時はユニバーシアードのハーフマラソンで金メダル。初マラソンとなった22年3月の名古屋ウィメンズで学生新記録を樹立。23年10月のMGCで優勝。22年から第一生命グループに所属。趣味は絵を描くこと、アニメ鑑賞。身長161センチ。

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