前田穂南の欠場 高岡寿成SDが説明「坂対策でハードワークに」五輪ルールではレース前日まで補欠と変更可能も2日の解除は「陸連で決定」

 「パリ五輪・陸上女子マラソン」(11日、パリ市庁舎~アンバリッド)

 鈴木優花(24)=第一生命グループ=が自己ベストの2時間24分2秒で6位入賞を果たした。04年アテネ五輪金メダルの野口みずき以来、20年ぶりのメダルはならなかったが、日本女子の入賞は21年東京五輪の一山麻緒(8位)に続く2大会連続となった。2大会連続出場だった一山は51位だった。

 レース後、高岡寿成シニアディレクターは右大腿骨疲労骨折で欠場となった日本記録保持者の前田穂南について説明。「状態はよかったが、坂を重点的に対策していたためハードワークになってしまった」と語った。補欠には昨秋のMGCで上位2人に次ぐ3位だった細田あい(エディオン)が登録されていた。今月2日に補欠を解除したが、補欠解除前に検査する判断はなかったのか?との問いには「あの段階からすぐに検査ということには至らなかった。米国時間と日本時間の違い。日本時間を軸とした上で線を引いているが、練習していく中でちょっとした張り、違和感が生じた時にすぐ検査するのかという時にその選択肢はなかった。期限までの期間が短くて検査する時間が作れなかった」と説明。違和感の連絡を受けたのはパリ時間の3日だったとした。2日の補欠解除のタイミングについては日本陸連で決定したことを明かし、「どのタイミング1番適切か。選手のことも補欠の立場も考慮してあのタイミングで設定させてもらった」。男子は結果として補欠だったトラ(エチオピア)が金メダルを獲得。五輪ルールではレース前日の午前9時まで変更可能だったことを明かし、「調整期間に入ってからの怪我のリスクはトレーニング期間より低くなることを考慮し、調整期間に入る前のタイミングで解除することが補欠選手にとっての精神的なストレスの解消になる」と強調した。

 陸連の2日の経緯報告は次の通り。「7月31日の練習において右大腿部付け根付近に張りを感じましたが、強い痛みでなかったため、調整しながら本番に向けた練習を行っておりました。チームドクターに連絡をとりながらの練習を行い、診察や画像検査は選手村入村のタイミングで行うこととしました。

 8月6日、チームドクターの診断、レントゲン検査、8月7日にエコー検査を実施しましたが、大きな所見は確認されず、引き続き様子を見ながら調整練習を行いました。しかしながら、その後も症状が改善されないことから、8月9日にMRI検査を行ったところ、大腿骨近位に信号変化が認められ、右大腿骨疲労骨折と診断されました。

チーム、コーチ、選手と話し合い、この状態でマラソンに出場することは今後の選手生命にも関わる重大な問題であるため、本連盟として欠場を判断いたしました。

 なお、補欠解除指定日(8月2日)時点では上記の通り選手は本番に向けた調整練習を行なっており、8月2日に補欠解除をいたしました。そのため、補欠選手との入れ替えはございません」

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