羽生“前哨戦”金 プルシェンコら圧倒
2014年2月8日
冒頭の4回転トーループを鮮やかに決めると、「パリの散歩道」に哀愁漂うエレキギターに、力強いスケーティングが重なっていく。フィニッシュでは天に人さし指を突き立て、No.1を誇示。「すごく気持ち良かった。あまりガッツポーズしないタイプだけど、日本のためにと思ってやりました」。日本開催を除く国際大会では“自己ベスト”の得点に「ロシアで評価を頂けてうれしい」と、今後への手応えもつかんだ。
この日初対決したトリノ五輪金メダリストのプルシェンコが、子供のころのヒーローだった。8歳の時にテレビで見た02年ソルトレークシティー五輪でその圧倒的なジャンプ、感情をむき出しにするような表現力に心酔した。髪形も同じマッシュルームカットにした。五輪に出たいと強く意識させてくれた“心の師匠”を超え、「僕にとっては足が震えるような存在。一緒に滑れたことがうれしい」と、感慨にふけった。
団体戦は、最高の形でフリー起用が濃厚な町田にバトンを渡した。“金前哨戦”を制し、13日からの個人戦への期待は高まる一方。一夜明けた7日は完全オフにし、散歩などで息抜きした。「今の自分がどういう位置にいるのかが分かった」。五輪デビューでつかんだ確かな自信とともに、若きエースが黄金の夢をかなえに行く。
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