レスリング・文田健一郎 かつてのライバル・太田忍の金言に感謝「自分の戦い方を」

 レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級で東京五輪代表の文田健一郎(25)=ミキハウス=が16日、オンラインで取材に応じ、開幕まで1週間を切った東京五輪に向けて「わくわく感が大きくて早く自分の実力を出して試合がしたい」と高揚感を口にした。

 6月中旬に五輪前最後の実戦として予定していた国際大会は、新型コロナワクチンの副反応の影響で出場を取りやめ。国内での強化を選択した。現在は「副反応は一時的なものだったので、後も引かずに、国内で練習を重ねてすごく良いコンディションでナショナルトレーニングセンターに入っている」と状態は良好だ。

 国内での強化を続けるにあたり、大きな刺激もあった。拠点とする日体大での練習に五輪切符を争った16年リオ五輪銀メダリストで、総合格闘家に転向した太田忍が2度激励に訪れ、両日ともにスパーリングを実施。1回目は「自分の中でも攻めていかなきゃという追い込まれたスタイルになって焦りを感じていた」と負けを喫したが、試合後に太田から「無理して攻めている。お前の形じゃなくなっている。無理に攻めるんじゃなくて今まで強みにしてたところで戦え」とここまでライバルとして戦ってきたからこそ分かる助言をもらったという。

 1週間後に再び訪れた太田とのスパーリングでは、文田が勝利。「『自分の戦い方をしろ』って言ってくれたおかげで調子を取り戻した」と先輩に感謝した。

 文田の初戦は8月1日。目指すは頂点、ただ一つだ。「忍先輩が自分に身につけさせてくれたものを持って東京で結果を残していきたい」。先輩の思いも胸に、大舞台のマットに立つ。

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