高藤直寿が悲願の金メダル獲得!日本勢1号 リオ銅の屈辱が原動力に

 金メダルを獲得した高藤直寿(撮影・堀内翔)
 金メダルを獲得した高藤直寿(左)=撮影・堀内翔
 決勝 台湾の楊勇緯と対戦する高藤直寿=日本武道館
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 「東京五輪・柔道男子60キロ級・決勝」(24日、日本武道館)

 リオ五輪同級銅メダルの高藤直寿が悲願の金メダルを獲得した。決勝で楊勇緯(チャイニーズタイペイ)をゴールデンスコア方式の延長戦の末に破り、日本勢金メダル1号となった。

 初戦を内股で一本勝ちを飾ると、準々決勝、準決勝はゴールデンスコア方式の延長戦を制して、決勝にたどり着いた。

 決勝は一進一退の攻防。最後は楊に3つ目の指導がいき、相手の反則で高藤の勝利となった。

 5年前の屈辱が高藤の原動力だった。初出場の16年リオデジャネイロ大会では優勝候補と目されながら、準々決勝でまさかの一本負け。銅メダルを死守したものの、幼少期から金メダルだけを追い求めてきただけに「今までの自分の人生全体が否定されたような気がした」と大きなショックを受けた。

 当時から付け人を務めている伊丹直喜さんは、目の前で泣き崩れる高藤の姿に声を掛けられなかった。「表彰式に出て取材は堂々と受けていたと思うが、その後、(バックヤードで)土下座というか泣き崩れた。その時に何も言えなかった」(伊丹さん)

 五輪代表組では休養に入る選手もいる中、高藤はすぐに再始動し、16年12月のグランドスラム東京大会から休まずにトップを走り続けた。東京五輪までの代表争いでは後輩の永山竜樹(了徳寺大職)の猛追を受けたが、17、18年と世界選手権で2連覇。ここ一番で結果を出し続け、第一人者の地位を譲らなかった。

 リベンジを誓って戻ってきた大舞台で、ついに世界の頂点に立った。

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