瀬戸大也がまさか予選敗退「やっちゃった」読み間違え9位、残る競技「全力で姿を」

 予選のレースを終えた瀬戸大也(中央)=撮影・高部洋祐
 瀬戸のバタフライ
2枚

 「東京五輪・競泳男子400m個人メドレー・予選」(25日、東京アクアティクスセンター)

 予選が始まり、男子400メートル個人メドレーで前回大会銅メダルの瀬戸大也(27)=TEAM DAIYA=は4分10秒52の全体9位となり、決勝に進めなかった。大本命の種目でまさかの予選敗退となった。井狩裕貴(イトマン近大)も同11位にとどまり、決勝進出を逃した。

 400メートルを泳ぎ終えた瀬戸はそのまま、センターレーンで電光掲示板を見た。上位8人に自分の名前はなかった。「やっちゃった」。予選敗退。「ちょっと自分でも信じられない」。本命の400メートル個人メドレー金メダルへの挑戦は、まさかの形で終わりを告げた。

 最初のバタフライで先頭に立ち、余裕を持って泳いだ。最後の自由形で周囲が追い上げてきているのも分かっていたが、あえてペースアップはしなかった。ばてたのではない。余力はあった。

 瀬戸はレース前、4分11秒0台で泳げば決勝に残れると考えていた。想定通り、瀬戸は4分10秒52で泳いだ。しかし体が動く夜の予選。他国のタイムは想定よりかなり速かった。8位は4分10秒20。「油断はしてなかったけど、読み間違えた」。決勝行きの切符は、わずか0秒32、瀬戸の先を行っていた。

 19年世界選手権で個人メドレー2冠。絶好調で迎えた2020年。3月末に1年延期が決まり、目の前は「真っ暗」になった。モチベーションを失った。その後女性問題による騒動でさらに練習機会を失い、約8カ月まともに練習ができなかった。毎日ゲームをして過ごした。「現実逃避」だった。それでも、目標の金メダルへ気持ちを切り替え、急ピッチで仕上げた。金メダル獲得は100パーセントに「かなり近い」と言えるだけの練習を積めた。

 泳ぎ終えた今もタイムは「あと5秒」縮められると思えている。練習での手応えは本物だった。それだけに「すごく残念。もう1回泳ぎたい。世界のライバルたちと、決勝で全力で戦いたかった」。悔いが残った。

 だからこそ、残る200メートル個人メドレーと200メートルバタフライに全力を注ぐ。「400メートル個人メドレー決勝の分の体力が余っているので。全力で泳ぐ姿を見せたい」。まだ戦いは終わっていない。

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