大橋悠依「平泳ぎで勝負」金メダル作戦的中 平井コーチの言葉に「落ち着いてできました」

 予選で力泳する大橋悠依(手前)=撮影・高部洋祐
トップでゴールし、感極まった表情でガッツポーズを決める大橋悠依=東京アクアティクスセンター(撮影・高部洋祐)
金メダルを手に笑顔を見せる大橋悠依=東京アクアティクスセンター(撮影・高部洋祐)
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 「東京五輪・競泳女子400m個人メドレー・決勝」(25日、東京アクアティクスセンター)

 大橋悠依(イトマン東進)が4分32秒8の好タイムで、日本競泳陣金メダル1号に輝いた。光輝く金メダルを首から下げて、午後からのメダリスト会見に出席した。笑顔と涙で、思いを語った。同種目でのメダルは2000年田嶋寧子の銀メダル以来2人目。金メダルは史上初となった。

 「全然実感がなかったんですけど、(表彰台に)上る前にオリンピックチャンピオンっていうポールがあって、そこで自分がチャンピオンになったと思ってうれしさがあふれたのと、正直まだ信じられない気持ちでいっぱいです」。メダリスト会見で涙と笑顔を交えながら、思いを語った。

 平井伯昌コーチと立てた作戦が的中した。午後に行われた前日24日の予選は最初のバタフライからリードを保って先行逃げ切り。この日は体の動きにくい午前中の決勝。戦略を練った。

 「『朝の時間なので恐らくきのうより(最初の)200を速く入ろうと思ってもエネルギーを使うだけでタイム的には変わらないだろう』と先生も言っていた」

 大橋は第3レーンからスタートを切ると、最初のバタフライでは前に出ず差のない3番手でターン。得意の背泳ぎではすぐに先頭に立ったが慎重にリードをキープした。3種目めの平泳ぎで加速、一気に突き放し、体1つ分のリードに広げた。最後の自由形でも勢いのママ、残り50メートルのターンでは2秒近く差を広げた。そのまま優位を保って逃げ切った。

 「平泳ぎが朝も感覚が良かったので、背泳ぎでターンしたところからが勝負で、そこからギアを上げていくというのは決めていたので、思った通りのレースができました」と思い描いた通りの会心のレースを振り返った。

 レース前に平井コーチにもらした言葉は「緊張する」。同コーチから「緊張して当たり前だから思い切っていくだけだぞ」「周りは見ずに自分の決めたレースだけやれば大丈夫だぞ」と言葉をかけられた。「落ち着いてレースができました」と笑顔を見せた。

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