阿部詩が金メダルで涙「初めての感覚」も「まだお兄ちゃんが今から。気を抜けない」
「東京五輪・柔道女子52キロ級・決勝」(25日、日本武道館)
阿部詩(21)=日体大=が、難敵アマンディーヌ・ブシャール(フランス)にゴールデンスコア方式の延長戦の末に勝ち、悲願の金メダル。21歳の若さでニューヒロインとなった。
宿敵との戦いに勝った。延長にもつれ込んだ一戦。最後は押さえ込んで一本勝ちを決め、勝利をつかんだ。金メダルを決めた瞬間、涙を流して喜んだ。
インタビューでは「本当に東京オリンピックがあるかどうか分からない状況でしたが、このように開催していただいて、金メダルを取って初めてこんな感覚が舞い降りて来た」と涙。「本当に4年間この大会を目指して日々努力してきた。努力が報われてよかった」と振り返り、「(ブシャールは)ライバルであり、尊敬する選手。最後のあいてにふさわしい。勝てて良かった」と安どの表情を浮かべた。
日本女子では同階級で初の金メダル。「絶対に金メダルをとってやろうと挑みました」と語ったが、「お兄ちゃんが今から気を抜けない。しっかり応援したい」と続けた。
兄の阿部一二三も男子66キロ級で決勝進出。「2人の力を出し切ることができれば絶対に優勝できる」。ふたりは口をそろえてきたが、妹がひと足先に金メダルを獲得した。
◆阿部詩(あべ・うた)2000年7月14日生まれ。兵庫県出身。18、19年の世界女王。勝負の顔とは別の、大学生の顔も持ち、頑張った後にはタピオカミルクティーを飲むという。