デイリースポーツ柔道担当記者が語る 阿部一二三の何げない言葉に今っぽい素顔見た
「こういうところは海外はいいですよね」。約2年前。ある海外の五輪金メダリストの男子選手と世界女王選手のカップルが、仲むつまじいツーショットを惜しげもなくインスタグラムに投稿していた。その話題で一二三がポツリと言った言葉に、そんなことを考えているのか…と感心したことがある。
「日本だとこんなん載せられないですよね…。バッシングされたり、いろいろと気にしないといけない。息苦しいところがある。でも海外はこういうことに対して(周囲も)いいやんってなるところがいい。同性愛などへの偏見も少ないし」
国によってさまざまな柔道スタイルがあるように、海外選手はヘアスタイルやタトゥーなども多種多様。10代からワールドツアーが頻繁に行われる欧州を中心に遠征を繰り返し、他国の文化や慣習にも自然と触れてきた。また、出身の神戸生田中は多様な生徒が通っており、クラスの約半数が海外にルーツを持っていたことも無縁ではないかもしれない。
何げなくつぶやいた言葉に、“今”っぽい23歳の青年の素顔を垣間見た気がした。(デイリースポーツ柔道担当・藤川資野)